受託者責任対応ソリューション:規制強化が促進する変化
Abstract
本レポートでは、米労働省の「受託者責任ルール」へのより簡潔かつ効率的な準拠を可能にするベンダー製品を紹介します。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 労働省の受託者責任ルールは、ウェルスマネジャーによるテクノロジーソリューションの見直しをいかに促進してきたか? |
2 |
受託者責任の負担を緩和するテクノロジーにはどのようなものがあるか? |
3 | 今後1年~1年半にどのようなソリューションが投入されるか? |
ここで取り上げるベンダーはBroadridge、Fi360、InvestCloud、MorningstarおよびSEIです。
労働省の受託者責任ルールが施行されるか否かにかかわらず、知識を持つ顧客は「フィデューシャリー(受託者)」という言葉を知っており、受託者のアドバイスを求めるとみられます。ウェルスマネジメントを手掛ける金融機関は、そこを差別化要因とすることで競争上の優位を確保できるでしょう。
ソリューションの内容は多岐にわたっており、製品の自己評価、既存の401kプランと提案されたIRA(個人退職勘定)プランの比較ツール、記録保管機能、アドバイザーが受託者としてとるべき行動を指導する/アドバイザーによる法令遵守をサポートするテンプレートなどを備えています。
既存の製品に手数料ソリューションを統合する取り組みは今後も続くでしょう。ベンダーは、特に顧客関係管理(CRM)システムとの統合を目指し、統合機能の開発を続けるとみられます。
「統合は難しい課題ですが、先頭を走るベンダーはやがてCRMシステムとの統合に成功し、1つのアプリケーションで一連の製品の機能を提供できるようになるでしょう。」
「労働省から追って通知があるまでは各社とも待機状態にありますが、登録投資顧問やブローカーディーラーは時差を利用して、手数料の透明性や受託者責任について顧客がどのような疑問を持っているか把握しておくべきでしょう。受託者責任の基準に対する顧客の関心レベルを見極めることで、ウェルスマネジャーは受託者責任ルールがそのまま維持された場合でも、変更または完全に廃止された場合でも、十分備えることができるでしょう」と証券プラクティスのアナリスト、ケリー・バーンズは述べています。