CDS市場におけるカウンターパーティーリスク
2009/11/24
アンシュマン・ジャスワル
Abstract
セレントはクレジットデフォルトスワップ(CDS)市場における最近の問題点を分析しました。
セレントの最新レポート「CDS市場におけるカウンターパーティーリスク」は、CDS市場の現状を分析し、信用収縮以降に実施されたさまざまなリスク軽減策について述べるとともに、カウンターパーティーリスクの緩和に向けた数々の方策を評価しました。
想定CDS総発行残高におけるシングルネームCDS発行残高の割合は2007 年下半期以降上昇を続け、2009年には2006年レベルを上回るまでになりました。そこからわかるように、ノンスタンダードCDS(標準化されていないCDS、CCPで簡単に清算できないようなCDS)はクレジットデリバティブ市場において重要な役割を果たしており、この分野でのカウンターパーティーリスクへの対応が必要となっています。
出典:セレント
「OTCデリバティブ市場をリードする銀行やディーラーはCDSの主要な買い手であると同時に売り手でもあることから、互いにカウンターパーティーになる可能性があります。このような同一体系内での循環的な取引はカウンターパーティーリスクを高めるため、市場パフォーマンスを阻害しないよう留意しつつ、この問題に対処することが必要です。規制面で重要なのは、ノンスタンダードCDSの利用にペナルティを課すべきではないということです。クレジット市場では、こうしたCDSが重要な役割を果たしているからです。また、国内外の各種金融規制の管轄が重複し、混乱を招くことがないようにしなくてはなりません」とセレントのアナリストでこのレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。
このレポートは14図と4表を含む32ページで構成されています。