2022-2027年 コーポレートバンキングのテクノロジー支出予測:パンデミックから脱却し成長を目指す
Abstract
コロナ禍による最悪の状況から抜け出しつつある今、コーポレートバンキング業界は再び収益や収益性に注力している。その結果、営業収益と業務効率向上をサポートするテクノロジー主導の取り組みにより、業界全体で投資が増加し続けるだろう。コーポレートバンクのIT支出は2027年には1,580億ドルに達するだろう。これは2021年比で5.4%増、1,130億ドルであった2020年比で11.9%増である。
2023年の見通しは引き続き良好
2023年のIT支出の見通しは引き続き良好である。セレントの見通しでは、来年のIT支出は1,300億ドルに達し2022年比で4.9%の増加となるだろう。成長率は2022年に比べ下がるものの、コロナ前をはるかに上回っている。ただしマクロ経済環境が不安定になるにつれ、多くの金融機関の優先順位も変化していく可能性がある。
IT支出は2027年までに1,580億ドルに達する見込み
銀行は成長および業務目標達成に向け技術投資にますます注力しており、IT支出は中期的には拡大し続ける見込みである。セレントは、コーポレートバンキングにおけるIT支出は2027年までに1,580億ドルに達すると見ている。これは、2022年から2027年の予測期間における年平均成長率4.6%を反映したものであり、長期的なトレンドを上回っている。この増加の要因の一つにインフレ圧力が挙げられるが、業界全体でデジタルトランスフォーメーションのプロセスの加速を重視する考えが強まっていることもある。
支出のうち最も大きい割合を占めるのはアプリケーション、最も急速に成長するのは外部サービス
2027年、銀行にとって最大の支出割合を占めるのはアプリケーションであろう。セレントでは、銀行が今後も商品およびサービスのイノベーションへの投資を継続することから、アプリケーション分野の支出総額は2022年比で平均5.2%増の417億ドルに達すると予測している。システム統合、コンサルティング、クラウドサービスなどを含む外部サービスは、2027年も2番目に大きな支出分野であり続けるだろう。支出は平均4.8%のペースで増加し、2027年末までに407億ドルに達する見込みである。