財務管理の原点と方向性
Abstract
過去30年間に、企業の財務担当者の役割は大きく進化しました、その背景には、銀行の規制緩和、資本市場の競争激化、財務管理サービスを提供するテクノロジーの影響などがあります。
企業の財務担当者の役割は、キャッシュ管理や銀行との関係維持だけでなく、企業の金融資産のリスク管理を主導する立場へと進化しています。同様に、財務管理システム(Treasury Management System: TMS)の機能も財務担当者の責任の拡大に対応できるよう進歩しています。
セレントの最新レポート「財務管理の原点と方向性」は過去30年間の財務管理業務の進化の過程をたどり、テクノロジーの発展がいかにTMSの進化を可能にしたかを明らかにするとともに、同システムを手がけるベンダーの概要を説明しています。
本レポートは、財務管理業務をサポートするシステムに関するシリーズの第1弾です。続編では、TMSの購入企業ニーズに影響する要因、TMSの導入オプション、各ベンダーのTMSの主な差別化要因に焦点を当てたレポートを発行する予定です。
企業の財務担当者の従来の役割はキャッシュ管理と銀行との関係維持が主なものでしたが、今や大きく進歩し、責務は多岐にわたり、複雑化していますが、システムがその仲介となって、TMSがそのコアを支えています。
「今日の財務管理担当者は、金融商品、提携相手となる銀行および投資銀行、テクノロジープラットフォームに関して豊富な選択肢に恵まれています。同時に、規制環境 や社内のニーズの変化により、財務管理のシステムやオペレーションへのベストプラクティスの導入が期待されています」とセレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したジェームス・オニールは述べています。
レポートでは、財務管理の歴史、マクロ経済環境、銀行業界を取り巻く規制および競争環境、財務管理プラクティスの進化の過程でテクノロジーが果たしてきた役割、今日の企業環境における財務の戦略的役割と財務担当者が社内で果たす様々な責務について論じています。そして、単純なスプレッドシートをベースにしたアプリケーションから銀行や第三者のテクノロジーベンダーが提供する高度なシステムに至るまで、TMSの現状を明らかにしています。