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西ヨーロッパにおけるマイクロファイナンス:進行するパラダイムシフト

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2010/04/27

Abstract


欧州連合(EU)諸国では金融危機に端を発した社会危機や経済危機が広がり、失業率の向上や既存の金融システムの枠組みから疎外される人々の増加を招いています。欧州ではこれまでマイクロファイナンスはほとんど普及していませんでしたが、将来的には、従来の金融システムの枠外に取り残されてしまっている人々への有効な対策となる可能性があります。

商業銀行から融資を受けることのできない人々に金融支援を提供するマイクロファイナンスは、西欧諸国においては比較的新しい分野で、これまでマイクロファイナンスの概念はなかなか普及してきませんでした。しかし、中小企業による関心は高まりつつあり、また、増加する失業率に伴い、既存の金融システムの枠外に取り残される層が拡大しており、広がりをみせています。

セレントの最新レポート「西ヨーロッパにおけるマイクロファイナンス:進行するパラダイムシフト」は西欧諸国におけるマイクロファイナンスの役割を検証し、マイクロファイナンスを提供している金融機関のビジネスモデルを紹介しています。また、フランス、イタリア、ドイツおよび英国といった主要市場を対象にSWOT分析を行いました。

マイクロファイナンス市場では、新たなプレーヤーが登場し、従来の金融機関が着手しないようなP2Pソリューションの開発に取り組んでいます。現在、マイクロファイナンスによるオンライン融資額は全世界で約5億5,000万ユーロ(約690億円)です。セレントはこのところの需要の高まりや、銀行融資に比べて金利が低く、利用しやすいといったメリットから、西欧におけるオンラインのP2P融資市場は2012年末時点で7,400万ユーロ(約92億円)に達すると予測します。

出典:セレント

「オンラインでのP2P融資は、中小企業や個人向けの比較的少額の融資ニーズに対応でき、欧州における既存のマイクロファイナンス市場の構造を補完する存在になる可能性があります。P2P融資を手掛ける金融機関は、社会的動機にもとづき、必要としながらも銀行融資を受けられない個人や借り手に融資を行っています」とアナリストでレポートを執筆したプラシマ・ラジャンは述べています。

本レポートは12図と2表を含む46ページで構成されています。

注)ドルから日本円への換算レートは、2010年3月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。