OTCデリバティブ市場:回復局面に
2013/10/22
アンシュマン・ジャスワル
Abstract
世界のOTCデリバティブ市場は、外為および金利商品の分野で回復傾向がみられます。一方、クレジット・株式・コモディティ市場はここ数年低迷が続いています。
セレントの最新レポート「OTCデリバティブ市場:回復局面に」は世界のOTCデリバティブ市場の最近のパフォーマンスを分析し、同市場が金融危機の前後の時期をいかに乗り越えてきたかを理解するとともに、資産クラス別のパフォーマンスを明らかにしています。
セレントの調査によると、ここ10年間、OTCデリバティブ取引の名目残高は概ね増加傾向を示しています。2011年以降は減少に転じているものの、2012年末の残高は2010年末の残高を上回っています。現時点のパフォーマンスは長期トレンドに迫る水準にあり、金融危機以降、市場は落ち着きを取り戻していると思われます。次は、新たなOTCデリバティブ規制の導入が市場の動向を左右することになるでしょう。
「OTCデリバティブは、資産クラスを問わず、現実的で持続的なパフォーマンスを上げているとみられます。間近に迫ったスワップ執行ファシリティ(SEF)の登録義務化や中央清算の拡大に伴い、市場の効率性と透明性はさらに高まるでしょう」と、セレント証券グループのシニアアナリストでレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。
レポートではまず、OTCデリバティブ市場の資産クラスごとに、その名目残高および時価総額に基づきパフォーマンスを分析しています。次に、各資産クラスの商品の内訳を示し、個々のOTCデリバティブ商品の相対的な重要性を明らかにしています。さらに、カウンターパーティのタイプ別に取引件数の内訳を分析しました。最後に、外為、金利、株式デリバティブ取引の償還期日と表示通貨を調査しました。