財務管理サービスの収益拡大に向けた戦略変更:売掛金管理サービスの強化
2014/11/04
Abstract
企業間の小切手決済件数が減少し、ノンバンクとの競争が激しくなるなか、銀行は売掛金管理サービスの変革を図っています。ラインアップの最上位に掲げているのは「総合的な売掛金管理サービス」です。
銀行は以前から法人顧客向けに売掛金管理ソリューションを提供していますが、そのラインアップはほとんど変わっていませんでした。ところが、電子決済の比重がますます高まり、次に何が起こるか見極める必要が出てきています。銀行は売掛金管理の見直しを進めているのでしょうか。また、そうすべきなのでしょうか。
本レポートは、企業間決済の内訳が変化し、ノンバンクとの競争が増す中で、中堅・大手銀行が財務管理サービスの最適なプロダクトミックスをいかに維持しているか分析しています。
セレントが2014年10月に北米の銀行を対象に行った調査の結果によると、大部分の銀行にとって収益拡大の最大の原動力は財務管理サービス(TMS)であり、収益増を維持するために商品ラインアップの中でも特に売掛金管理サービスを重視していることがわかりました。
「中堅および大手銀行の多くは、売掛金管理サービスの強化に動いています」とセレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したボブ・メーラは述べています。
レポートではまず、新たな財務管理サービスの戦略を策定する必要性を説明し、銀行の財務管理をめぐる優先順位、現行の売掛金管理サービス、各サービスの重要性の位置付けについて明らかにしています。
次に売掛金管理のうち、①法人向けロックボックスサービス②総合的な売掛金管理③リモートデポジットキャプチャー(RDC)―の3つの分野について詳しく説明しています。最後に、財務管理サービスで長期的な成功を目指す銀行に向けた提言を示しています。