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アジアのOTCデリバティブ市場の改革:バイサイドへの課題

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2011/12/06

Abstract

(このレポートは2011年12月6日に"OTC Derivatives Reforms in Asia:Challenging for the Buy Side"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2012年7月25日に発行しました。)

アジアの主要国では、OTCデリバティブ取引の集中決済化を促す動きが活発化しています。中でも日本とシンガポールは他に先駆けて、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)や金利スワップといったOTCデリバティブ取引の清算機関設立を進めています。

セレントの最新レポート「アジアのOTCデリバティブ市場の改革:バイサイドへの課題」は、集中清算への移行とバイサイドを含む市場参加者に及ぼす影響について分析しています。アジアにおける集中清算モデルは欧米とはやや異なる形になるとみられます。欧米では、標準化されたOTC商品の取引基準が定められているため、取引は規制下にあるプラットフォームで執行され、中央清算機関で決済されます。一方アジアでは、取引を規制下のプラットフォームで行うことが義務づけられていないことから、相対取引が引き続き行われるとみられます。

世界のOTC取引の想定元本残高に占めるアジア市場のシェアは、OTC株式デリバティブ、金利スワップ取引とも約15%となっています。CDSはアジアではあまり一般的でないため、シェアは2%にとどまっています。また、FXのデリバティブ取引は世界シェアが26%と高く、その大部分は日本で行われています。

「アジア市場は細分化が進んでいるため、中央清算機関の持続可能性や実行可能性は疑問視されています。また、複数の国の当局が関与するため、規制面での調整が必要になる可能性もあります」と、セレントのシニアアナリストでレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。

レポートでは、始めにOTCデリバティブ市場の現状、売買高、構造について概要を示しています。続いて、アジア市場の変化が及ぼす影響を予測し、システムおよびアクセスに関する問題も取り上げています。最後に、同市場の将来を考察しています。