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IBORについて知っておくべき重要事項

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2015/06/22

Abstract

バイサイドの金融機関にとって、インベストメント・ブック・オブ・レコード(IBOR)はアーキテクチャ上のビジョンとなっています。これは間違いなく良い動きですが、当然ながら注意すべき点もあります。全ての金融機関に最適な規模があるわけではないため、資産のオーナーと運用マネジャーはコストや設計内容が過剰にならないよう気をつける必要があります。本レポートでは、だれがIBORのアーキテクチャを本当に必要としているのかをはじめ、IBORの様々な定義、機能の水準の違い、IBORの能力について顧客が知っておくべき重要事項を明らかにしています。

KEY RESEARCH QUESTIONS
1 本当にIBORが必要なのか?

2

IBORとは何か?
3

実際にIBORを作成するのは難しいが、それはなぜか?


インベストメント・ブック・オブ・レコード(IBOR)を完璧に定義すると、以下のようになるでしょう。

IBORとは、保有・運用資産の全てのポートフォリオを構成するあらゆる取引のリアルタイムかつ高品質なコピーを意味する。取引は、金融資産としての始まりからそのライフサイクルの終わりまでに起こったあらゆるイベントから成る。そして、全ての取引は資産ポジションを形成し、金融機関全体の総合的なポートフォリオを映すものとなる。

こうしたリアルタイムで一般的なIBORの定義を明らかに満たすことのできる資産運用会社は、事実上ないといっていいでしょう。しかし、理想像からスタートし、徐々にバイサイドの金融機関のニーズや実務上のシステム要件に合ったより現実的なシナリオに移行することは可能でしょう。

IBORのアーキテクチャ上の青写真は、バイサイドのシステムポートフォリオにとってまさに必要なものです。ただし、金融機関は慎重な分析とサプライヤー評価を行い、過度のコストや設計を伴う負担の重いソリューションを導入しないようにすべきでしょう。

「IBORのコンセプトは優れていますが、同時にマーケティング現象にもなっています。選択可能なIBORソリューションの数が増えた分、自らの現在および将来のビジネスモデルに適したソーシングを選択しなければいけません。業界のニーズがコンセプトの中心でありますが、自社に応じたスマートで現実的な評価することが重要です」とセレント証券グループのシニアアナリストでレポートを執筆したジェイ・ウォルステンホルムは述べています。