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米保険業界、信頼の危機: 不正行為の明確な線引きが焦点に

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2004/11/12

Abstract


米保険業界を代表する企業が重大な不法行為によって告発されるケースが相次ぎ、保険販売のビジネスモデルや市場シェアに変化が生じつつあります。こうした状況の中、保険会社やブローカーが自らの行為を弁護あるいは正当化するためには、容認できる行為とできない行為を分ける線を明確に引くべきです。


セレントの最新レポート「米保険業界の危機:不正行為の明確な線引きが焦点に」は、保険会社の不正行為に対する相次ぐ提訴や告発を①ブローカー/代理店の利害対立、②虚偽の財務諸表の作成、の大きく2つに分類しています。そして、いまだ全体像が掴みきれていない危機の実態を明らかにし、保険会社やブローカーに係わってくる法的、経済的リスクおよび市場シェアや企業イメージ上のリスクについて分析しています。

また、保険会社やブローカーの行為を明らかな不正行為(明確な一線を越えた行為)、疑わしい行為(不透明な境界線ぎりぎりの行為)、弁護可能な行為に分類し、有罪と無罪の判断基準を解説しています。

「全ての大手保険会社およびブローカーは、自らの行為の正当性如何にかかわらず、業界全体のイメージが大きく損なわれてしまったことを認識すべきでしょう。マスコミ、一般市民、そして議会においても、一般的に保険会社、ブローカー、代理店の区別があることは知られているものの、その違いが取り沙汰されることはありません。これらは「保険業界」としてひと括りにされる対象であり、今この「保険業界」の評判が危機的状況に晒されているのです」と、セレント保険グループのシニアアナリストで上記レポートの著者であるドナルド・ライトは指摘しています。

このレポートでセレントは、不正行為に係わった保険会社やブローカーは直ちにそのことを公表し、問題の一掃を図るべきであると強調しています。保険業界は一斉に成功報酬の支払いを停止しているため、これが直ちに大手ブローカーの小幅減収を招き、利益にはさらに大きなマイナス影響が出ています。一方、今回の危機を巡るプラス要因を挙げるとすれば、保険会社、ブローカー、代理店に対して、販売プロセスにおいていかにして価値を引き出し、それを互いに共有していくかということを見直す機会が提供されたことでしょう。

本レポートは全18ページから成り、グラフと表を各1つずつ掲載しています。