分析ツールによる債券取引のマッチングの向上: 注目のイノベーションシリーズ
2013/11/19
デビッド・イーストホープ ジョセフィン・ドゥ・シャズルネ
Abstract
債券市場に参加している機関投資家が取引をマッチングするにあたっては、これまでセールス担当者の定性的判断と強気な戦術を頼りにしてきました。しかし、バーゼル規制により、バランスシートから流動性を得ることは難しくなり、ディーラーもバイサイドも債券取引のマッチングに分析ツールを利用するようになっています。
セレントの最新レポート「分析ツールによる債券取引のマッチングの向上」は、債券取引のマッチングと執行過程で分析ツールの利用が拡大している現状を明らかにしています。また、債券取引を行うディーラー、マルチディーラー・プラットフォーム、バイサイドを強力にサポートする新たなテクノロジーについても取り上げています。データ分析ツールの進化は、流動性に制限がある、もしくはマッチングが難しい債券商品をターゲットにしているとみられます。
債券の分析ツールは、主に比較的アクセスの容易な既存または新しいデータをもとに構築されることになるでしょう。こうしたデータのほとんどは十分に活用されていません。それらのデータの有用性は、マッチングの機会が増え、市場の流動性が向上することで証明されるでしょう。
「既存または新規のデータに基づく分析ツールを使って債券取引のマッチングを行うことで、マッチングの確率が向上し、執行もより確実なものとなります」と、セレント証券グループのシニアアナリストでレポートの共同執筆者であるジョセフィン・ドゥ・シャズルネは述べています。
「データ分析ツールは革新的なテクノロジーを活用し、様々な特性および機能を備えています」とリサーチ・ディレクターでレポートを共同執筆したデビット・イーストホープはコメントしています。