香港保険市場の動向とITの概要
2008/12/23
ウェンリ・ユアン
Abstract
現在、香港の保険市場では生命保険が主力商品で主な成長要因となっており、市場シェアは70%に達しています。損害保険分野の成長ペースはこれを下回っています。
香港の保険市場は比較的発達しており、2007年の保険料収入は総額253億米ドルと2003年の130億米ドルから大幅に増加しました。香港保険市場に おける人口1人当たりの保険料収入は2,787.6米ドルと世界第14位であるのに対し、保険の普及率(GDPに対する保険料収入の割合)は10.5%と 世界第8位に位置しています。
香港の保険市場は、世界で最も開かれた市場の1つです。市場参入している保険会社のうち香港に拠点を置くのは91社で、その他は米国、バミューダ、英国を初めとする世界の様々な国や地域を拠点に事業を展開しています。
米国におけるサブプライム問題の発生を機に投資家は投資連動型商品の購入に慎重なス
タンスを強めており、伝統的な保険商品を選好する向きが増えています。
「市場の競争が激化する中、保険会社は自社独自の強みを生かした保険商品の開発を求められています。大手保険会社も、市場ニーズに合わせて商品構成を変更する必要に迫られています」とセレントのシニアアナリストでレポートを執筆したウェンリ・ユアンは述べています。
保険商品は、純粋な保険から保障・貯蓄・投資機能を組み合わせた商品へと移行しています。これらの分野の兼業は認められていることから、今後は総合的な サービスを提供できる金融機関が市場シェア獲得競争で優位に立つでしょう。一方、顧客のニーズに応じて既存の保険代理人がファイナンシャルプランナーに転 身する動きが徐々に広がるとみられます。
本レポートは4表と27図を含む全51ページで構成されています。