アジアにおけるモバイルバンキングの可能性【日本語】
2015/07/15
孔慶順
Abstract
このレポートには英文版 "Mobile Banking Possibilities in Asia-Pacific" (2015年7月15日発行)もあります。
アジア太平洋地域においても、モバイルバンキングを導入する銀行が増加し、それに伴う競争も激化してきています。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | アジア太平洋地域におけるモバイルバンキングの今後のトレンドは何か? |
2 |
今後、同地域のモバイルバンキング関連IT投資を促進する要因は何か? |
3 | 今後、モバイルバンキングサービスを発展させていく上での課題は何か? |
セレントは、2014年春にアジアの14か国を対象に、モバイルバンキングに関するオンライン調査を実施しました。今回はそのフォローアップとして、調査参加行に現在の状況や今後のトレンド、IT投資動向についてインタビューを実施し、回答を分析しました。
モバイルバンキングサービスは、銀行にとっても顧客にとっても重要なチャネルのひとつになりつつあります。残高照会や取引履歴の閲覧、小額の送金はもちろん のこと、ローンや投資商品に至るまでモバイルチャネルで提供されるようになってきており、また顧客からのニーズも高まりつつあります。
アジア太平洋地域の銀行のモバイルバンキングの動向について調査する中で、以下の点が明らかになりました。
- アジア太平洋地域における銀行業界のデジタル化のレベルは、初期段階である。
- アジア太平洋地域の銀行ではペイメント関連サービスに大きな関心を寄せており、今後、積極的に導入を進めるものと見られる。
- モバイルチャネルを展開していく上で、銀行はセキュリティ関連のIT投資を積極的に行う意向を示しており、この傾向は長期的に続くものと見られる。
- 今後の課題として、モバイルバンキングをいかに収益性のあるモデルにするのか、投資する分野をどこにするのかを懸念している銀行が多く存在する。
「異業種からの銀行業へ参入する企業の斬新なビジネスモデルが、アジアの銀行業界に多大なる影響を与える事が予測されます。また、東南アジアを中心に、銀行口 座を持たない層が未だ多く存在しています。このような現状を踏まえつつ、モバイルバンキングの戦略を立てることで、銀行が飛躍するきっかけになるでしょ う」とセレントのアジア金融サービスグループのアナリストで、本レポートの執筆者である孔慶順は述べています。
本レポートは、1図を含む20ページで構成されています。