進化するECN:レギュレーションNMS施行に伴う取引所との提携
Abstract
電子証券取引ネットワーク(ECN)が伝統的な取引所の領域を席巻しつつあり、テクノロジーの向上や「レギュレーションNMS」によってその勢いはさらに加速しています。1990年代末、ごくわずかなシェアから始まったECNの取引高は、現在、店頭取引市場の60%以上に及びます。
テクノロジーの向上やレギュレーションNMSの可決に伴い、ECNは市場の主導権を得ました。セレントの見解では、ECNの店頭取引における支配的立場は、新たなテクノロジーの開発を背景に今後も続き、また、レギュレーションNMSの導入を機に取引所取引にもさらに浸透するでしょう。レギュレーションNMSは、ECNと伝統的な取引所、さらにはECN間の競争のあり方を変えつつあるのです。
セレントは最新レポート「進化するECN:レギュレーションNMSの施行に伴う取引所との提携」で、レギュレーションNMSや新テクノロジーの開発がECNに及ぼす影響について考察しています。ECN業界の発展の過程を明らかにし、店頭取引と取引所取引に占めるECNのシェア実績を提示しています。また、ECNのテクノロジーアーキテクチャやビジネスモデル(ArcaEx、INET/BRUTなど)を詳しく紹介し、レギュレーションNMS導入後のECNの動向を予測しています。
「かつてECNは別のカテゴリーとして捉えられていましたが、今や従来の取引所との区別はなくなってきています」と、セレントの代表取締役兼CEOで本レポートの執筆者の一人でもあるオクタビオ・マレンジは述べています。一方、証券プラクティスのアナリストでレポートの共同執筆者であるデビット・イーストホープは次のようにコメントしています。「取引の自動化を促すレギュレーションNMSの導入はECNにとって追い風となり、ECNはスペシャリストに対する優位を維持する見込みです。とは言え、レギュレーションNMSによる最大の影響を受けるのはニューヨーク証券取引所で、同取引所は先のハイブリッド市場構想で明らかにしたような電子取引の採用を余儀なくされるでしょう。」
本レポートは16図と3表を含む全31ページで構成されています。