高まる担保管理の重要性
2017/11/20
REPORT PREVIOUSLY PUBLISHED BY OLIVER WYMAN
Abstract
高度な担保管理能力は、以前は「あればいいもの」と考えられていましたが、今や「なくてはならないもの」となっています。その背景には、流動性や自己資本規制の厳格化、コスト効率の向上を目指す業界のトレンド、高度な再生・破綻処理計画に伴う要件などがあります。
金融機関がこうした基準の厳格化に対応するためには、プロセスとインフラの改善が不可欠です。特に、規制要件のハードルが高いキャピタルマーケッツ業務の比重が大きい金融機関にとっては、こうした改善は極めて重要です。更に言えば、優れた担保管理インフラは大きなメリットをもたらすものです。担保最適化のプロセスを強化できれば、日常業務の効率化と収益力の向上につながる可能性があるからです。
本レポートでオリバーワイマンは、強固な担保管理システムとプロセスの重要性を取り上げ、リスク管理の一環としてだけではなく、効果的な日常業務の実現や破綻処理計画の一環として考えるべきであると指摘しています。
またオリバーワイマンは、担保活用に関する透明性や一元的な監視機能、そして強固なITインフラを組み合わせた最高のエンタープライズ・ソリューションのコンセプトを提唱しています。
もはや担保管理は単なるバックオフィス機能ではありません。担保管理は、必要なデータをほぼリアルタイムで提供するものとして、組織全体に影響する戦略的なリスク管理プラクティスに格上げする必要があります。
こうした戦略面における転換には、ターゲット運営モデルに向けた明確なビジョンと、経営陣の関心が必要です。場合によっては、フロントオフィスのシステムと同等レベルのリソースを投資する必要があるかもしれません。