保険金請求コアシステムのリプレースに求められる業務とITの連携
Abstract
損害保険会社の保険金請求コアシステムは、請求を迅速かつ公正に処理できるかその鍵を握っています。そして、迅速かつ公正な処理は、保険会社の財務体質を保持し、保険金請求者に好印象を与えることにもつながるのです。しかし、保険金請求コアシステムのリプレースには、多くの困難が伴うことも予想されます。リプレースのプラス面は、新システムの導入によって(ほぼ)すべての点が改善されることで、マイナス面としては、大規模な変革が難しい作業であり、業務および管理上のリスクを招きかねないことが挙げられます。
セレントの最新レポート「保険金請求コアシステムのリプレースに求められる業務とITの連携」は、コアシステムのリプレースを巡る5つのプロセス(①リプレースの決定、②ベンダーの選択、③システムデザイン、④システム構築、⑤実装)の概要を示しています。さらに、実装後に位置づけられる重要な6番目のプロセスとして、システムのより広範かつ集約的な利用による付加価値の創造を挙げています。
またレポートでは、4組の保険会社とベンダーによる保険金請求コアシステムのリプレースの実例を紹介しています(ChubbとAccenture、CANとGuidewire、某保険会社とValley Oak、MLMIC 《Medical Liability Mutual Insurance Company》とDelphi Technology)。各事例について、リプレースの動機と要因、プロセスの詳細、成果、プロジェクトの組織化と統制、最も難しかった問題、ベストプラクティスなどを検証しています。
「保険金請求コアシステムのリプレースにあたり、保険会社が取り組まなければならないことは6つあります。それは①ベンダー選定プロセスに既存システムのロードマップとビジネスドライバーを組み入れる、②プロセスおよびシステム変更のタイミングと規模のバランスを図る、③保険金請求のレガシーシステムに関して正しい決断を下す、④保険金請求業務の中核スタッフをプロセスに十分関与させる、⑤ベンダーの人材や知識を活用する、⑥効果的なプログラム/プロジェクト管理を確実に行なう、というものです」と、セレントのシニアアナリストで今回のレポートを執筆したドナルド・ライトはコメントしています。
このレポートは、2つの図を含む26ページで構成されています。