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決済をめぐる銀行/小売業者/フィンテック企業の関係を再考する:パート3:フィンテック企業の視点

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2016/01/19

Abstract


小売業者と銀行は互いになくてはならない存在ですが、決済に対する見解はかなり異なっています。フィンテック企業をはじめとする仲介 業者が急増し、違いはさらに大きくなっています。今回ACI Worldwideの委託を受けてセレントが発行する3本のレポートシリーズでは、決済の当事者である小売業者、銀行およびフィンテック企業のそれぞれの 観点から、決済をめぐるこれらの関係を再考しています。

レポートシリーズのパート1は銀行の視点、パート2は小売業者の視点、パート3はフィンテック企業の視点で決済をめぐる三者の関係を再考します。

銀行、小売業者およびフィンテック企業が形成する決済エコシステムでは、想像以上に相互の共生関係が強まっています。小売業者は効率的な資金の受け取り方法にこだわり、現金の管理から資金の借り入れやサプライヤーへの支払いに至る様々なニーズを抱えています。

リテール銀行はこれまで個人顧客が商店のレジで使う支払いツールの大部分を手がけてきました。小売業者と主に取引関係があるのはコーポレート銀行です。ユニバーサル銀行の中にはこれらの両方が存在するケースもあるものの、多くは縦割りの組織に分かれています。

フィ ンテック企業はビジネスチャンスを察知し、あの手この手を使ってこの分野に参入しようとしています。こうした企業が存在感を高めるにつれ、銀行と小売業者 の関係にどのような影響を及ぼすのでしょうか。両者を分断するくさびとなるのでしょうか、あるいは全ての当事者を結び付ける接着剤の役割を担うのでしょう か。
今こそ、決済をめぐる銀行、小売業者、フィンテック企業の関係を見直すべき時期に来ているのではないでしょうか。けんか腰の態度や素っ気ない拒絶を見せれば、全当事者がビジネスチャンスを失うことになりかねません。

三者の関係を見直すにあたっては、各当事者の見解を理解することから。そこでセレントは、3本のレポートにそれぞれのステークホルダーの見解をまとめました。第1弾は銀行に焦点を当て、次の3つの質問に対する答えを明らかにしています。

KEY RESEARCH QUESTIONS
1 銀行にとって決済のディスラプションはどれほど現実となっているか?

2

どのようなリスクがあるか?
3

決済において銀行に未来はあるか?


「フィンテック企業が決済に関心を持つ理由は、収益、取引データ、加盟店にサービスを提供できる機会など様々です。しかし、対立は必ずしも最適な戦略とはいえません。フィンテック企業の間では『銀行サービスはまだまだ拡大の余地が大きく、欠点もあるとはいえ貴重なパートナーになり得る』との見方が強まっています」と銀行プラクティスのシニアアナリスト、ジルビナ・バレイシスは述べています。

本レポートは20p、6図で構成されています。