財務管理テクノロジー: キャッシュ・サイクルの最適化
Abstract
(このレポートは2006年8月17日に"Treasury Management Technology: Optimizing the Cash Cycle"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2007年1月15日に発行しました。)
大手企業の経営トップの間では、利益動向を左右する財務管理能力にますます注目が集まっており、より高度で優れた総合財務管理自動化ソリューションを採用する動きが加速しています。
企業は、組織内のキャッシュフローの可視化と流動性の向上に努め、このキャッシュをいかにして最も効果的に配分し投資するか日々取組んでいます。財務担当 者には、グローバルベースに及ぶ組織内のキャッシュ、負債、投資の状況を正確かつタイムリーに把握する必要があります。セレントは、2008年を通じて、 財務管理テクノロジー採用の動きがあらゆる規模の企業に広がると見ています。この動きを推し進める中心となるのは、主に中堅企業の財務部門による財務管理 ASPソリューションの採用拡大でしょう。
セレントは最新レポート「財務管理テクノロジー:キャッシュ・サイクルの最適化」で、 企業向け財務管理テクノロジー市場の現状を分析しています。具体的には、企業による財務管理テクノロジーの採用を促す主な要因を挙げ、現在入手可能な様々 な自動化テクノロジー(スプレッドシートから財務関連ワークステーション、ERP、銀行のソリューションに至る様々なテクノロジー)の優位点と欠点を検証 しています。
レポートでは、ハネウェル・インターナショナルとマイクロソフトにおける財務管理最適化プロジェクトについての検証もしています。この多国籍企業2社は、劇的に異なる方法で各自の財務管理の自動化ニーズへの対応に取組んできました。
ハネウェル社の場合、会計業務が分散化され、広範囲に及ぶ各地のビジネスユニットごとに会計処理を行っているため、 グローバル拠点に財務専用ワークステーションを配置することで、キャッシュフローの可視化向上を図ってきました。一方、マイクロソフト社は既に単一ERP プラットフォームを導入済みだったことから、グローバルな財務管理を実現するERPソリューションを選択しました。同社はまた、多くの提携先銀行と、直接 通信できるSWIFT接続を行っており、銀行との接続ポイントから会計処理に至るまでのストレート・スルー・プロセッシングの実現に近づいています。
「財務機能の自動化に向けた最適アプローチの選択にあたって、全てのケースに適応する唯一万能の方法はありません。各企業が選択する戦略は、財務部門の責 任範囲、業務キャッシュフローへの関与度、地理的な広がり、銀行業務の複雑性等に基づいて分かれるでしょう」と、セレントのシニアアナリストで本レポート を執筆したマダビ・マンサは述べています。
本レポートは7図と6表を含む全43ページから構成されています。