2014年 北米保険会社におけるBPOの市場調査:委託契約の分析
Abstract
セレントは、北米の保険業界におけるビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)の最新動向を分析しました。その結果、委託契約の件数は増えているものの、契約総額は減少していることがわかりました。
中核業務プロセスの外部委託は以前では考えられないことでしたが、今や多くの保険会社の経営戦略において、コスト削減手段およびシステムの陳腐化を解決する代替手段として重要な役割を担っています。セレントの最新レポート「2014年 北米保険会社におけるBPOの市場調査:委託契約の分析」は、北米の保険業界におけるBPOの現状を明らかにしています。
セレントは、BPOプロバイダーから入手したデータに基づき、北米における保険中核業務BPO市場の2017年までの成長率を予測しました。その結果、この間の年成長率は前回の市場調査時に比べてやや低下しました。その理由として、①生命保険会社によるBPO契約の平均金額が低下していること②生命保険会社のBPO契約件数が横ばいであること③損害保険会社の契約件数は増加しているものの、契約金額が低下していること―が挙げられます。
前回2011年のレポートと同様、今回の契約データにも保険分野によって市場の特徴が異なる北米市場の実態が反映されています。マルチラインの保険会社の場合、BPO契約を締結している保険会社の数は少ないものの、1社当たりの金額が大きいのが特徴です。損害保険会社は契約金額が小さく、契約内容も絞り込む傾向があります。北米では、ここ3年間は新規契約の件数が減少傾向にあり、前回調査時と状況が変わっていないことがわかります。
「北米の保険会社向けBPO市場は 引き続き着実な成長軌道をたどっているものの、そのペースは緩やかです」とセレント保険グループのシニアアナリストでレポートの共同執筆者であるマイク・フィッツジェラルド は述べています。
「生命保険および年金保険の場合、市場ニーズへの素早い対応と直販チャネルでの販売戦略が求められるため、主にプラットフォームベースのソリューションがBPOの対象となっています。損害保険の分野では、テクノロジーギャップの解消やデジタル化の推進など、より戦術的な理由からBPO契約が広がっています」とアナリストでレポートを共同執筆したカレン・モンクスはコメントしています。