決済の電子化が進むインド
Abstract
インドでは、ペーパーベースの決済システムから電子決済システムへの移行が急速に進んでいます。電子決済市場は今後2年間に70%近くの成長が見込まれ、リテール電子決済の市場規模は現在の1億5,000万ドルから2010年には1億8,000万ドルに拡大すると予測されています。
インドでは過去3年間に様々な電子チャネルの認知度とその普及率が上昇したことから、電子決済市場は約60%拡大しました。セレントの最新レポート「決済の電子化が進むインド」は、インドの決済システムにおける電子メカニズムの継続的なイノベーション、導入および実装について検証しています。同国の決済システムではいまだペーパーベースの処理が主流ですが、電子決済への移行が進む可能性も大きくなっています。現在、電子取引は件数ベースでは市場全体の37%にとどまっていますが、金額ベースでは75%を占めています。
「電子決済が導入されてから、インドの決済システムはこれまでにない飛躍的な成長を遂げました。リテール決済の分野に様々な決済メカニズムが導入されたことで、金融取引が迅速かつ効率的に処理されるようになりました」と述べるのはセレントのアナリストで今回のレポートを執筆したプラシマ・ラジャンです。
電子決済の普及に伴い、インドでは決済カードの利用が広まっています。同国はアジアパシフィック地域の中でも決済カードが最も急速に普及した国の1つであり、現在流通しているカード(デビットカードとクレジットカードを含む)は約1億3,000万枚に上っています。セレントは2010年にはこの数が2億1,000万枚に達すると予測しており、うち1億6,900万枚をデビットカード、残りの約4,000万枚をクレジットカードが占めるとみています。しかし、クレジットカードは引き続き買い物と請求書の支払いの両方に利用されることから、金額ベースではクレジットカードがデビットカードを上回るでしょう。
レポートではインドの消費者の決済行動を分析し、電子決済の成長性(取引件数ベース)を予測しています。また、決済処理を外部業者に委託している銀行の価値提案を明らかにしています。さらにカード決済(スマートカードや非接触カードなど)、オンライン決済、モバイル決済、POS端末といった最新の電子決済メカニズムも取り上げています。レポートでは銀行、ノンバンク、その他の第三者の決済処理業者など様々なプレイヤーの市場シェアを比較し、大手決済処理業者の3社について紹介しています。
本レポートは17図と8表を含む全40ページで構成されています。