ハイブリッドクラウド、マルチクラウドの世界に移行しながら、オペレーショナルエクセレンスを向上する
クラウド移行の対象、時期および方法
Abstract
オンプレミスのバンキングアプリケーションをプライベート/ パブリッククラウド展開に移行する取り組みは10年以上前から行われているが、初期の移行は、ソフトウェアアプリケーションをサービスとしてのソフトウェア (SaaS) に水平に移行させるといった比較的小規模で簡易的な取り組みが一般的であった。しかし、ここ5年間はフロント/ ミドル/ バックオフィスのソリューションをクラウドに移行する金融機関が増えており、これにより、ソリューションを迅速に展開するための柔軟性の確保という当初の目的は達成されたが、オンプレミスとオフプレミスを併用するハイブリッドクラウド環境で業務を行うようになったことで、コストと複雑さが増すことになった。今こそ、この新しいハイブリッドクラウドの世界を見直し、再調整する時だ。
2023年にセレントが金融機関を対象に調査を行ったところ、クラウドの導入ペースは引き続き加速していることが確認された。また、世界の (欧州とアジア太平洋地域を中心とする) 金融機関は、より早いペースでより多くのアプリケーションをクラウドに移行し、顧客売上の成長、クロスセル、顧客維持という目標を達成していることが示された。
銀行のクラウドコンピューティングに関するセレントの最新レポートの内容は以下の通り。
•最近、世界の各地域で計画されているオンプレミスからクラウド展開への移行について検証する。
•フロント/ ミドル/ バックオフィスのバンキングアプリケーションのオンプレミスからクラウド展開への移行を比較評価する。
•オンプレミス・アプリケーションとクラウド・アプリケーションの統合と管理に役立つ分野で、クラウド導入コストがどのように進化し、増加しているかを評価する。
•アプリケーション現代化の重要な役割を紹介すると同時に、クラウドの効果を最大限に引き出す上で、アプリケーションを単に再ホストすることで得られるメリットと、アプリケーションを再設計または再構築することによるメリットを比較して紹介する。
•現在、金融機関によるオンプレミスとオフプレミスを併用するハイブリッドクラウドの世界の構築・管理を可能にする、急成長しているベンダーエコシステムの概要を説明する。