ナスダック市場における注文執行クオリティ
2006/05/24
Abstract
セレントは包括調査の一貫として、ナスダック上場銘柄を扱うマーケットセンターを比較評価しました。
セレントの調査では、約20億件の注文と約2,000億に及ぶ株式のデータを分析し、主要マーケットセンターの比較評価をしました。その結果、受領した注文に対する約定価格のクオリティではUBS、注文執行のスピードではBrutがそれぞれトップにランクされました。
約定価格 | 執行スピード | ||
1 | UBS Securities | 1 | Brut |
2 | イー・トレード | 2 | ナスダック |
3 | ベア・スターンズ | 3 | ArcaEx |
4 | Automated Trading Desk | 4 | Direct Edge ECN |
5 | Inet | 5 | Inet |
出所:セレント |
全体的に、ECN(電子証券取引ネットワーク)は執行スピードの点で優位性があり、マーケットメーカーは約定価格の向上という点で勝るという傾向があります。ただし、マーケットメーカー間の差異は極めて著しく、注文の数量・種別や銘柄の流動性によって大きく分かれました。
セレントのCEOで今回のレポートを執筆したオクタビオ・マレンジは、次のように述べています。「マーケットセンターによって、約定価格向上の頻度には大きなばらつき見られました。ランキングのトップグループでは、顧客の注文価格に比べて約定価格が向上した取引の割合が95%に達しています。一方、ランキングの下位グループには、価格の向上に非積極的なマーケットセンターもあります。このようなマーケットセンターで実際に約定価格が向上した例があるとすれば、それは偶然の結果によるものです。」