ビジネス・ルール・エンジンの ベンダー評価
Abstract
セレントの予測によると、米国の保険会社が2004年にビジネス・ルール・エンジン(BRE)の新規プロジェクトに振り向ける投資額は3億5,000万ドルに達するとみられます。
保険会社は今日、BREソリューションの採用によって保険料設定、引受、保険金支払請求に関する多くの課題を解決できるようになっています。既存のBREベンダーが製品の機能や利便性の向上を積極的に推し進める一方、この分野へ新規参入を図るベンダーも後を絶ちません。このような中、保険料見積り、保険契約管理、支払い請求業務向けのパッケージソリューションにビジネス・ルール機能が「組み込まれた」製品が一般的となりつつあります。
セレントの最新レポートでは、代表的な7つのBREベンダーを比較・評価し、その中から保険会社のニーズに最も合致したソリューションを提供する3社を選んでいます。比較対象としたベンダーはAMS、Computer Associates、Corticon、Fair Isaac、ILOG、Pegasystems、Sapiensの7社です。このレポートは、ビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)およびBREの戦略概要をまとめた昨年12月発行のレポートと、今年2月に発行したBPMのベンダー評価に関するレポートのフォローアップとして書かれたものです。
「一般的に、保険会社は複雑な決定が求められるプロセスあるいは財務上の影響が大きいプロセスに積極的にBREを導入すべきでしょう。また、BREは頻繁なルール変更が必要とされる業務(引受など)、コンプライアンス上のリスクが大きい業務(契約更新、支払請求処理など)にも有効であるといえます。」 セレント保険グループのシニアアナリストで本レポートを執筆したドナルド・ライトはこのように述べています。
「BREの潜在的メリットは極めて大きいと考えられます。たとえば、BREの導入によって業務の一貫性を維持することができるようになります。社内の優先事項や他社との競争圧力といった変化に応じて決定プロセスを迅速に変更することも可能となります。規制強化に対するコンプライアンスの確立にも寄与するでしょう。また、業務・IT部門スタッフの連携をもたらす共通言語の提供も行ないます。さらに、BREを分析ツールやデータマスタリーアプリケーションと併用することで、収益拡大(クロス・セリングやアップ・セリングを通じて)およびコスト削減(不正支払い請求の発見や引受決定能力の向上による)を実現することができます」とライトは付け加えています。
セレントは上記ベンダー7社について、①各社の製品ラインにおけるBREソリューションの位置付け、②多様なプラットフォーム/データベース/既存アプリケーションとの互換性および統合能力の高さ、③導入に要する期間およびコスト、④導入事例、⑤導入効果と問題点、に基づいて比較・評価しました。レポートの結論ではベンダー7社の比較分析結果をまとめ、セレントによる推奨ベンダー3社を選出しました。また、保険会社とベンダーに向けた提言も行なっています。
さらにレポートは、BREソリューションの導入がもたらすビジネス価値、完全なBREソリューションの構成要素、BREソリューションへの予想投資額についても概要をまとめています。
レポートは全38ページで14の図表も掲載されています。