電話によるアンダーライティング導入の 機は熟す
Abstract
生命保険会社が保険申請情報の収集・分析方法の見直しを進める中、初歩的な通信手段である電話が変革をもたらすツールとなる可能性が浮上しています。
生命保険会社は、長年にわたり電話による保険申請情報の収集を試みて来ました。にもかかわらず、電話によるアンダーライティング(保険引き受け)が本格的に普及していないのは何故でしょうか。従来とはアプローチの方法を変え、テクノロジーを改善することが、最後まで残っている障害の克服につながるのです。
セレントの最新レポート「電話によるアンダーライティング導入の機は熟す」の著者であるシニアアナリストのクレイグ・ウェーバーは次のように述べています。「電話によるアンダーライティングは避けて通れない検討課題となっています。保険申請情報の収集業務をコールセンターに移管することで、保険会社・代理店とも多大な恩恵を享受することができるでしょう。ただ、これを実現するためには、保険会社がアンダーライティングを巡る従来の手法に固執しないことが求められます。」
代理店側の導入体制は?
電話によるアンダーライティングを巡る従来からの懸念の一つは、「自社」の顧客への第三者の接触を快く思わないチャネルパートナー達が抱く不信感であると、ウェーバーは指摘します。しかしながら、代理店側は電話によるアンダーライティング導入に向けた意欲を次第に強めているようでもあり、セレントが今年実施した代理店調査では24%の代理店が保険申請情報の収集・管理を第三者に任せる方が好ましいと答えています。
レポートでは、電話によるアンダーライティングの導入がもたらす主な効果として、①代理店の販売業務への集中、②コスト削減、③新規契約のサイクルタイム短縮、④新規販売チャネルオンライン化の加速、⑤新規契約に関する将来的なビジョンの確立、の5つを挙げています。
「特に第5点は決定的な要因といえるでしょう。他の4つの効果だけでは電話によるアンダーライティングを活性化させる意欲までは引き起こせないとしても、保険会社は新規契約のシステム全般やサービス戦略についての検討は必ず行なうべきことだからです。大多数の保険会社にとって、電話によるアンダーライティングの導入に必要な作業は、新規契約のワークフロー自動化、すべての新規契約に共通するフロントエンドの構築、より柔軟な調達戦略の採用というような他の優先プロジェクトの作業と重複するはずです」とウェーバーはコメントしています。
レポートでは、電話によるアンダーライティングの効果的な導入に成功したハートフォードおよびバルチモア・ライフの2社の実例を概説しています。また、保険会社が新規契約プロセスの効率化に伴うコスト削減額の試算に利用できる利益モデルも紹介しています。
本レポートは11の図と4つの表を含む全28ページで構成されています。