証券取引における取引ライフサイクル最適化:注目のイノベーションシリーズ【全訳版】
Moving from Theory to Practice
Abstract
(このレポートは2013年8月22日に”Innovation in Focus: The Age of Trade Lifecycle Optimization in Securities Trading" というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2013年11月29日に発行しました。)
取引ライフサイクル最適化(TLO)は証券取引、業務、ITにおけるフロント、ミドルおよびバックオフィス全体の課題と機会に対処する概念上のフレームワークです。「取引ライフサイクル最適化の時代」の幕開けまで、あと数年。取引ライフサイクル最適化を達成するためには、戦略的事業目標と、それに必要とされるテクノロジー要件とを整合させる必要があるでしょう。
最新レポート「証券取引における取引ライフサイクル最適化:理論から実践へ」では、一部の企業において取引テクノロジーとオペレーションの再構築に活用されている革新的コンセプトはどんなものであるかを解説しています。TLOにより、情報に基づく意思決定が可能になり、取引効率、担保効率、清算および決済効率など様々なレベルでの改善につながると考えます。
TLOを唱えるのは、主に、広範なソリューションを有するベンダー、コストと資本の制約、過剰設備、ITと業務との統合アプローチの欠如といった問題を認識し、証券取引再構築に打開の可能性をみている、一部の経営幹部です。
「実際のTLOはひとつのアプローチというよりは、小さな個別作業の積み重ねによって達成されます。まだ構想段階とはいえ、TLOを早期に導入することで、効率性と取引パフォーマンスにおける競争優位を獲得できるでしょう」と、セレント証券グループのリサーチディレクターで、本レポートの共同執筆者のデビッド・イーストホープは述べています。
今後、バイサイドとセルサイドは、さまざまなテクノロジーのプラットフォームを数多く活用し、保持しなければならなくなるでしょう。「取引ライフサイクルの各セグメントで、それぞれ他に抜きん出たベンダーが存在します。各ベンダー、いずれも様々なパズルのピースを手にしていますが、パズルを完成したところはありません。TLOの時代が近づくにつれ、高パフォーマンスのハード/ソフトウェア、統合サービス、注文および執行管理システム、ポートフォリオ管理システム、フロントオフィス分析および予測ツール、担保最適化ツール、および他の専門ベンダーによるソフトウェアなど、テクノロジーツールへの需要が拡大することでしょう」と、アナリストで本レポートの共同執筆者であるメディ・アガミは述べています。
本レポートは3図と1表で構成されています。