マイクロサービス:雲の彼方のソフトウェアエンジニアリング革命【日本語】
2018/04/04
「マイクロサービス」とは、ソフトウェアを独立して配置可能なサービスの組み合わせとして設計、開発する手法です。
Key research questions
- 何故今、マイクロサービスが注目されるか?
- マイクロサービスの潮流が示唆する事柄は何か?
- マイクロサービスの効用を、銀行はどのように活用すべきか?
Abstract
「マイクロサービス」の開発方法論は、ウェブサービスが普及しフィンテック連携が叫ばれる今日の環境と極めて親和性が高いものです。高度に統合されたモノリシック(一枚岩)な日本の銀行勘定系は、メガバンクの自営システムであれ、地域銀行の共同システムであれ、そのコンセプト、開発・運用・保守の実際において、この革新的なアーキテクチャの対極にあります。
システムとビジネスの「モジュール化」によるアーキテクチャ革命については、本シリーズPart1(「デジタルトランスフォーメーション:新銀行業モデルの創生」)において議論しました。本稿では、その実装上のヒントとして、「ネットワークコミュニティ」の効用について論じています。「マイクロサービス」の源流にある、UNIXやLinuxのビジネスモデル、フリーソフトウェアからオープンソースへの潮流は、現代の銀行業界が直面するデジタル・コミュニティとの連携や、そこでの新たな顧客関係の構築に様々な示唆をもたらすでしょう。