日本におけるデリバティブ市場:さらなる市場の安定性・透明性向上に向けて
Abstract
(このレポートの英文版をJapan’s Derivatives Market: Toward Greater Stability and Transparency "というタイトルで2012年7月30日に発表しました。)
日本のデリバティブ市場は法改正および規制強化を繰り返し、市場の安定性および透明性の向上に努めてきました。 同市場は緩やかではあるものの堅調に成長してきましたが、今後もその成長を維持するためには、さらなる市場の安定性・透明性の向上が求められています。
「日本におけるデリバティブ市場:さらなる市場の安定性・透明性向上に向けて」では、日本国内のデリバティブ市場の現状および今後の発展の可能性について分析しています。全く異なった様相を見せている日本の上場デリバティブ市場OTCデリバティブ市場の現状について、世界と比較し、取引高および売買高を取り上げ、詳しく分析しています。
日 本の上場デリバティブ市場は2011年の取引高において4億430万枚を記録しました。世界の主要なデリバティブ取引所と比較すると、取引高は微小であり ますが、堅調に成長しています。一方、日本のOTCデリバティブ市場は2011年、 511万900枚の取引高を記録し、世界のOTCデリバティブ取引高 全体の4分の1を占めるほどになっています。
「日本のデリバティブ市場が今後も成長を維持していくためには、市場の安定性および透明性を高めるための取り組みを続け、投資家からの信頼を得る必要があります」とセレントのアジア金融サービスグループのアナリストで、本レポートの執筆者である孔慶順は述べています。
本レポートでは、日本におけるデリバティブ取引関連の法規制、また日本のデリバティブ市場の成長を促す要因についても言及しています。