保険業界におけるSOAの進化:SOA基準に代わるテクノロジー
2011/08/24
The Technologies Seeking to Usurp the SOA Standards
Abstract
SOAは次の10年間も通用するテクノロジーでしょうか。規模とパフォーマンスをめぐる重要課題に直面する企業が増えるなか、システム統合の代表的手法としてのSOAPとWS-*の地位は脅かされつつあります。SOAPやWS-*はなお有効といえるのでしょうか。いずれも保険業界で広く採用されている基準ですが、これらの持つどのような弱点がいま問題になっているのでしょうか。これらに代わる手段はあるのでしょうか。
セレントの最新レポート「保険業界におけるSOAの進化:SOA基準に代わるテクノロジー」はSOAとその起源、歴史および現状について明らかにしています。また、Facebookの「Thrift」やGoogleの「ProtocolBuffers」など、ディベロッパーの注目を浴びている新たなアプローチも紹介しています。これらは、SOAが解決できなかったどのような問題に対処可能なのでしょうか。
レポートではIT業界が抱える新たな問題を取り上げ、ディベロッパーが多数のソフトウェアを実装する際の基準としてSOAに代わるものを求めている理由を考察しています。また、現在支持を広げつつある代替基準をいくつか検証したところ、SOAは終わったのではなく、業界が新たな課題に取り組むなかで進化を遂げつつあることがわかりました。
SOAPとWS-*が「万能」のソリューションでない理由として、以下が挙げられます。
- モバイルブラウザ上で、JavaScriptで書かれたSOAメッセージを解析するとコストが高くつく。
- さほど大きくないデータファイルでも、SOAPで送信するとメッセージの容量が倍増し、受信者側では多大な処理能力を必要とする。
- SOAPベースのウェブサービスではデザインの方向性がほとんど示されず、共通データ項目の利用に関するサポートもほとんどない。
「保険会社はもちろん今もSOA、SOAPやWS-* を利用していますが、代替手段から学ぶべきこともあるはずです。今後3~5年の間に、SOA、SOAPおよびWS-*をめぐる基準の枠組みは今よりはるかに軽いものに移行するでしょう」とセレント保険グループのアナリストでレポート執筆者のクレイグ・ビーティーは述べています。