日本の保険業界の動向 パート1:競争環境の変化と対応【日本語】
Abstract
(このレポートの英文版を"Insurance Industry Trends in Japan, Part 1: Responses to a Changing Competitive Landscape"というタイトルで2014年4月30日に発表しました。)
日本の保険会社は、その競争戦略において、大手保険会社においてはコストリーダーシップを、ニッチ及び新規参入の事業者はコストと差別化による集中 戦略を選択しました。そして、合併、買収、提携による成長戦略、すなわち事業規模の拡大を通じて、損保、生保の両市場共に、少数の事業者による極めて高い 市場集中度を実現しました。こうした外部環境の変化の中でこれまでのところ、保険会社の販売チャネルの変化は受動的なものであったとみなされます。
セレントの最新レポート「日本の保険業界の動向 パート1:競争環境の変化と対応」 では、同業界における競争環境の変化と対応、中でも、販売チャネルの多様化に着目し、今後の取り組みと成功要因について考察しています。グローバル市場、 アジア・パシフィック市場における同市場の位置づけを鳥瞰し、生保、損保各市場の成長性と、商品とチャネルの変化について取り纏めた上で、事業環境と競争 圧力、事業戦略の変遷を考察しました。
「日 本の保険業界も、伝統的なビジネスモデル一辺倒では、競争優位を獲得出来ない競争環境となりました。保険業界における製造と販売の分離、保険商品のメー カーとしての保険会社(キャリア)と販売とサービス提供機能を担う代理店(エージェント)の新たなビジネスパートナー関係の構築は不可欠と考えられます」 とアジア金融サービスグループのシニアアナリスト、柳川英一郎は述べています。
本レポートは、これまでの日本の保険業界に おける、競争関係の変化と対応を、環境変化、競争圧力、成長戦略、多角化戦略などにわたり、分析しています。続くパート2では、顕著な保険販売チャネルの 多様化について、その背景としての経済環境、競争関係、システムインフラの変化を分析し、新チャネルの今後の方向性を検討します。