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世界のプライベート・エクイティ市場:合理化と規制の行方

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2012/07/09

Abstract


厳しい経済情勢を受け、世界的にプライベート・エクイティ市場は伸び悩んでいます。これによって調達できる資金は減少傾向にある上、同市場がシステミック・リスクの温床とならないよう規制当局が監視の目を強めています。

セレントの最新レポート「世界のプライベート・エクイティ市場:合理化と規制の行方」は、最新の業界動向を分析しています。ここでは、再編に向けた動きがみられます。すなわち、プライベート・エクイティ・ファンドは自らが裁量権を持つ下位のファンドをできるだけ有効活用しようとしています。また、投資形態を変更することで合理化を図る傾向もあり、レポートではそうしたケースについても詳しく解説しています。
ここ数年、新たな規制が相次いで導入されています。例えば、米国ではドッド・フランク法やボルカー・ルール、欧州ではオルタナティブ投資ファンド運用者指令(AIFMD)などの導入が進められています。これらはプライベート・エクイティ・ファンドのコスト負担増につながるだけでなく、規制や法令遵守の取り組みを促すことにもなるでしょう。

プライベート・エクイティ・ファンドへの主な出資主体は財団が27%、投資信託(寄贈基金)が21%です。このほか公的年金基金が14%、民間の年金基金が10%を占めているほか、ファンド・オブ・ファンズの運用会社が8%、ファミリーオフィスが4%、保険会社が3%となっています。

「プライベート・エクイティ業界はここ数年で大きく変わりました。効率化と合理化が進んだ結果、成長見通しは改善しています」とセレントのシニアアナリストでレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。

レポートではまず、主要市場におけるここ数年のプライベート・エクイティ市場の進化について、特に金融危機の影響に注目しつつ説明しています。次に、進化する市場環境に対応するため、プライベート・エクイティ・ファンドの多くが投資形態を変更している現状を解説しています。また米国、欧州、アジアの各市場における規制強化の動きについても取り上げています。最後に、プライベート・エクイティ・ファンドが厳しい経済環境や規制強化の動きに対処するための提言を示しています。