2012年 北米保険業界のソフトウェア導入動向:損保
Abstract
北米の損害保険市場は低成長が予想され、ソフトウェアの導入ペースは減速しています。
2010年および2011年のソフトウェア導入案件をカテゴリー別に詳しく分析したところ、2011年は景気回復の兆しがみられるものの、保険会社による外部ソフトウェアへの投資額は引き続き伸び悩んでいることがわかりました。
ソフトウェアの導入案件を保険会社の規模、契約の種類、4つの主要カテゴリー(コアプロセッシング、販売、インフラおよび財務、文書/コンテンツ管理)と複数のサブカテゴリーに分類し、このシリーズの過去のレポートで使ったデータに基づいて長期トレンドを分析し、主要カテゴリーごとに有力ベンダーを選びました。
また、ベンダーから入手したデータをもとに、保険の各分野での成功度を判断する指標となる「セレント・トラクション・インデックス」の有力ベンダーを特定しました。
「2011年の損害保険会社によるソフトウェア導入データには、景気動向が明確に反映されています。年初は楽観的なスタートでしたが、その後は導入件数が伸び悩み、第2四半期に欧州情勢が不透明になったのを受けて減少に転じました。2012年も同様の流れが続いて導入実績が景気動向に左右されるとすると、大きな外的要因がなければ、導入件数の伸びは1桁前半にとどまるでしょう」と、セレント保険グループのシニアアナリストでレポートの共同執筆者であるマイク・フィッツジェラルドは述べています。
「保険会社はソフトウェアベンダーと長期契約を結んでおり、今年も、新たに導入するソフトウェアの大部分を既に契約中のベンダーから購入する傾向がみられました。データをみる限り、ベンダーは徐々に顧客基盤を広げつつありますが、そのためにはきめ細かい口座管理やクロスセリングの取り組みが特に有効といえるでしょう」と、保険グループのアナリストで共同執筆者のカレン・モンクスは述べています。