アップルがペイメントに参入:Apple Payはモバイル決済の寵児となるか? 【全訳版】
Abstract
(このレポートは2014年10月9日に"Apple Enters Payments: Is Apple Pay the Answer for Mobile Payments?" というタイトルで英文で発表されましたが、全訳版を2015年1月26日に発行しました。)
Apple Payが成功する可能性は高いと思われるものの、それは一夜にして成るものではありません。米国での成功のカギを握るのは加盟店であり、アップルは特に店内での決済に関して加盟店により積極的な提案をしていく必要があります。海外では、カード会社との交渉が難航する可能性があり、アンドロイドの牙城を崩すことを求められるでしょう。
アップルは9月9日のiPhone 6およびApple Watchの発表に合わせて、決済サービス「Apple Pay」を開始する方針を明らかにしました。同サービスはまず米国でスタートし、その後海外市場にも投入される予定です。この発表を受け、Apple Payが決済業界に及ぼす影響について、企業の重役会議室や公開フォーラムの場で熱い議論が繰り広げられました。
セレントの最新レポート「アップルがペイメントに参入:Apple Payはモバイル決済の寵児となるか?」はApple Payとは何か、またどのように機能するかを我々の視点から紹介し、セレント独自の決済商品評価ツールを使い、Apple Payの成功の可能性と業界に及ぼす影響を評価しています。
「Apple Payは、顧客経験とセキュリティの観点からモバイル決済のレベルを引き上げることでしょう。しかし、利用する消費者が限られる上、米国内の加盟店が店内での非接触型決済の導入に消極的態度をとると予想されることから、その成功は必ずしも約束されていません。アップルがモバイル決済の普及に火をつけ、これまで多くの企業が成し遂げられなかった成功を手中にするかどうかは時間と共に明らかになるでしょう。しかし、今回の動きが無視できないことは間違いありません」と、セレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したジルビナス・バレイシスは述べています。
本レポートには13の図と1つの表が掲載されています。最終章ではカード会社および決済処理業者に向けた提言をまとめ、Apple Payが業界の重要課題に及ぼす影響について考察しています。