イタリアのリテール投資市場
2008/03/17
イザベラ・フォンセカ
Abstract
イタリアの投資市場は、特にアクティブトレーダー向けオンライン取引サービスの有望なビジネス機会を提供しています。同国のオンライン取引口座数は年間4%を超えるペースで増加するとセレントはみています。
イタリアのリテール投資市場は多様な投資商品の採用に意欲的であり、最適な環境下でリスクをとることにも積極的です。こうした取引トレンドはアクティブトレーダーと呼ばれる特定の投資グループを呼び込み、自己判断を行う投資家のうち24%がこのグループに該当します。イタリア市場ではアクティブトレーダーが個人投資家全体の8~9%と高い割合を占めており、証券会社などに魅力的なビジネス機会を提供しています。
セレントの最新レポート「イタリアのリテール投資市場」はイタリア投資市場の現状について、アクティブトレーダー市場に焦点を当てつつその顧客層、商品、証券会社などを詳しく分析しています。
その結果、主に以下のような点が明らかになっています。
- アクティブトレーダーの急増: 欧州市場全体では個人投資家に占めるアクティブトレーダーの割合は5%を下回る傾向にあるが、イタリア市場の場合は9%程度に達しているとセレントはみている。
- アクティブトレーダーの大多数は男性: 個人投資家のうち特にアクティブトレーダーのほとんどは35~45歳の男性が占めている。
- プロバイダー市場は細分化: 市場には個人投資家に取引サービスを提供する多数の証券会社や銀行が参入し、細分化されている。
- 株式取引が主流: 個人投資家が最も選好する投資商品は依然として株式であり、デリバティブやETFがこれに続いている。
- アクティブトレーダーは高度な商品と海外市場を選好: アクティブトレーダーは高度な投資商品を選好するほか、シカゴ・マーカンタイル取引所、ニューヨーク証券取引所、ナスダックなど海外市場への関心も高い。
「イタリアの証券市場は細分化が進んでいるため、証券会社などが個人投資家を獲得・保持するためには工夫が必要です。同市場は国内だけでなく海外のデリバティブ、コモディティ、ETFなどの商品を手がけることで、より積極的にリスクをとる構えをみせています」とセレントのシニアアナリストでレポート執筆者であるイザベラ・フォンセカは述べています。
レポートに掲載したデータは市場の現状分析に利用でき、また、証券会社がイタリアのオンライン取引市場に参入する際の戦略策定にも有用です。
本レポートは22図と3表を含む31ページで構成されています。