コーポレート・アクション自動化に関する ベンダー調査
Abstract
かつて夢物語と思われていましたコーポレート・アクションの自動化が現実的なものになってきました。業界主要のプロジェクト推進、サードパーティーベンダーによるソリューションの成熟、証券会社・運用会社における関心の高まりなどが実現化への道を開く要因となっています。
セレントの最新レポート「コーポレート・アクション自動化に関するベンダー調査」(全48ページ)は、コーポレート・アクションの自動化プロセスの現状および具体的なプロジェクトに関する調査をまとめたものです。とりわけ、現在市場で入手可能なソリューションを数多く取り上げています。主なプロバイダーはADP、チェックフリー、へリオグラフ、FTI、インフォメーション・モザイク、モンダス、スマートストリーム、タタ・コンサルタンシーサービシズ、ヴァーメグ、エキサイテックなどです。レポートでは、ソリューションの重要特性、機能をはじめ、実際の導入事例や顧客数などに基づくベンダー評価も行なっています。
「サードベンダーが提供するソリューションを受け入れる傾向が強まっていますが、それらソリューションの多くは十分な実績を持たないことを金融機関は念頭におくべきでしょう。したがって、これらの導入にあたっては、製品が予定どおり納入されるのかといったことから、ベンダーが長期的なサポート体制をとっているか、導入にどれくらいの期間を要するのかという点に至るまで様々なリスクが伴うと考えられます」と、セレントのシニアアナリストで本レポートの著者であるパメラ・ブリュースターは述べています。
また、レポートではコーポレート・アクションの情報内容やメッセージの標準化および一元化を支援するプロジェクトの現状も明らかにしています。中でも、SWIFTのISO15022を使ったコーポレート・アクション関連メッセージ、DTCCによるグローバルなコーポレート・アクション関連サービス、SIAが手がけるハブを使ったコーポレート・アクションのライアビリティ通知、ユーロクリアの強化プロジェクトなどを中心に取り上げています。また、証券会社および運用会社を対象にコーポレート・アクションの自動化に踏み切るべきかどうかの判断要因や自動化プロセスの手順についてのガイダンスを示しています。
「レポートでは、コーポレート・アクション・プロセスの自動化は単なるシステム導入だけでは実現し得ないという認識をもつことの重要性を強調しています。多くの場合、自動化に伴うプロセス全体の改良が必要となり、これによってスタッフの行動パターンも変更を求められます。したがって、プロジェクトを成功に導くためには、プロジェクトの主要段階におけるコーポレート・アクション・チームの関与が不可欠となってきます」とブリュースターは結論づけています。