中小企業のデジタルエンゲージメント:競合に打ち勝つには
新たな領域へ
Abstract
中小企業のデジタルエンゲージメントモデルは、1次元のセルフサービスから、付加価値の高いサービス、ガイダンス、アドバイスを兼ね備えた多面的なものへと急速に拡大している。セルフサービスの利便性が当たり前となっている今、競争の舞台は財務上の意思決定の向上や業務効率の改善といったより高いレベルのニーズに応えることへと移っている。
過去10年間、デジタルバンキングとセルフサービスは同じものと考えられてきたが、中小企業向けバンキングの経済性と顧客エクスペリエンスを向上させるというニーズを満たしている点では、その通りである。しかし、今やセルフサービスは競争上の差別化要因として機能しなくなっている。同時に、中小企業の財務部門では依然として手作業の業務が多く、紙ベースの書類や複数のアプリケーションにまたがって行われている。多くの場合、経営者は業務を委託することに抵抗を感じている。つまり、銀行のサービスと中小企業のニーズの間には今も明らかなギャップが存在している。セレントは、先駆的な銀行とそのテクノロジープロバイダーが競争力をさらに高め、技術的な限界を押し上げることで、このギャップを埋めることができると考えている。また、そうすることで、こうした銀行は顧客エンゲージメントの新たな領域に達することができるだろう。
図:エンゲージメントの新たな領域に到達する
本レポートは、行動するよう呼びかけること、つまり、次の領域に到達するために投資するというビジネスケースからスタートする。次に、顧客エンゲージメントを再考し、エンゲージメントの新たな領域に達する方法について考察する。具体的には、基本的なエンゲージメントを容易にする方法から始め、次に効率的なジャーニーを可能にする方法、最後にインテリジェントなエンゲージメントを実現する方法について考察する。