アルゴリズムトレードの最新動向:主流となる最新の注文執行プラットフォーム
Abstract
セレントの予測では、アルゴリズムトレードによる売買高は2008年にかけて年平均13%のペースで拡大し、証券取引の売買高全体に占める割合も現在の約14%から25%に上昇する見込みです。伝統的なバイサイドの証券会社は、これまでアルゴリズムトレードの採用にかなり消極的でしたが、ここにきてその売買高は、5年間の年平均成長率30%が見込まれる、最大の成長セグメントとなっています。
セレントの最新レポート「アルゴリズムトレードの最新動向:主流となる最新の注文執行プラットフォーム」は、アルゴリズムトレードの拡大について、バイサイドおよびセルサイドの市場参加者と同市場向け自動取引システムの開発を積極的に進めているテクノロジーベンダーの両視点から分析しています。また、現在市場で最も広く採用されている2種類のアルゴリズムに関するケーススタディを掲載し、対象銘柄や市況に応じてどのようにアルゴリズムが用いられているのか説明しています。さらに、レギュレーションNMSの施行がアルゴリズムトレード戦略やフロントエンドシステムのプロバイダーに及ぼす影響についても明らかにしています。
アルゴリズムトレードは、人の手を介するトレードを時代遅れに追いやるテクノロジーという見方をするべきではありません。「伝統的な注文執行やリサーチの手法に比べて、アルゴリズムを重視しすぎることは避けるべきでしょう。アルゴリズムは、バイサイドおよびセルサイドのトレーディング業務を飛躍的に効率化するための最新トレーディングツールにすぎないのです」と、セレントの証券プラクティスのマネージャーでレポートを執筆したハレル・スミスは語っています。
今後アルゴリズムトレードがさらに普及するか否かは、金融機関が社内で注文執行を行なう際のコスト・ベネフィット分析の結果次第でしょう。アルゴリズムやDMA(Direct Market Access)取引の手数料そのものは業界でも群を抜く安さですが、取引遅延、取引の影響、取引機会の喪失などに関連した間接コストの発生も考慮する必要があります。また、バイサイドの金融機関は全体的に見て、いまだ多数のアルゴリズム・ストラテジーを意のままに操るという段階には達していないのが現状です。アルゴリズムトレードの利用者基盤をさらに拡大するためには、取引の事前・事後分析の強化といった教育の拡充に加え、セルサイドのプロバイダーが実践的なサポートを提供することが重要となるでしょう。
アルゴリズムトレードの長期的な成長機会が見込まれるのは、債券、オプション、外国為替、先物市場などでしょう。また、今後のトレンドとして、最新の注文執行管理プラットフォームと従来の注文管理システムとの競争が激化することも予想されます。最新の注文執行デスクが高い柔軟性、低コスト、カスタマイズ可能なフロントエンドシステムを追求する中、従来の注文管理システムは苦戦を強いられるでしょう。
このレポートは、19の図表を含む全36ページから構成されています。