2015年 ポートフォリオシステムの全容:新時代の資産運用システム【抄訳版】
Asset Management Systems in the New Age
Abstract
(このレポートは2015年3月に"Portfolio Systems 2015: A Front to Back Look: Asset Management Systems in the New Age" というタイトルで英文で発表されましたが、抄訳版を2015年9月28日に発行しました。)
※ダウンロード:レポート(日本語)=抄訳版PDF、(英語)=原文レポートPDF
バイサイドの金融機関は、「ポートフォリオシステム」の定義を根本的に見直す必要があります。現在、これらのシステムにはポートフォリオのリスク管理、分析、取引前/取引後処理、ポートフォリオ/ファンド会計、影の勘定の会計などが含まれています。当然ながら、インベストメント・ブック・オブ・レコード(IBOR)も含まれます。本レポートでは、ポートフォリオシステムの重要な機能、それらを必要とするバイサイドの顧客、サプライヤーについて概説しています。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 資産運用会社にとって最も重要なポートフォリオシステムの要素は何か? |
2 |
どのような金融機関がどのようなポートフォリオシステムを利用するのか?その理由は? |
3 | どのサプライヤーがどのようなポートフォリオシステムを提供しているか? |
「規制強化の動き、利益率の低下、投資の多様化、富裕層の人口動態の変化はいずれもバイサイドの金融機関に影響を及ぼしており、「万能型」のビジネスモデルが通用する単純な時代は終わりました。今やポートフォリオシステムの範囲は、フロントからバックまでをカバーする全社レベルのプラットフォームから、対象分野を絞った「アラカルト型」のコンプライアンス/リスクモジュールまで多岐に及んでいます。資産保有者、資産運用者、金融機関はいずれもポートフォリオシステムを必要としていますが、必要とする機能、分野はそれぞれ異なっています」とセレント証券グループのシニアアナリストでレポートを執筆したジェイ・ ウォルステンホルムは述べています。
リアルタイムのリスク分析から社内外の資産運用マネジャーの実績の集計に至るまで、ビジネスおよびシステム面からポートフォリオの管理を評価する立場にある人は、サプライヤーの業界再編や、ディスラプションをもたらすプレーヤーの存在を把握しておく必要があるでしょう。資産保有者、資産運用者、金融機関はそれぞれ、テクノロジーを活用して自らの運用の優位性を確立するためには、現在どのようなポートフォリオシステムが入手可能であるのか認識しておく必要があります。コスト効率の向上とオペレーショナルリスクの最小化の両方を実現しつつ、最適なテクノロジーの導入を通じて投資リターンの目標を達成するためには、まず最適なポートフォリオシステムがどんなものであるかを見極めることが第一歩となるでしょう。