2016年 中南米の保険会社におけるイノベーションの進捗状況
2016/12/22
マイク・フィッツジェラルド
Abstract
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 中南米の保険会社にとってイノベーションは重要か? |
2 |
中南米の保険会社におけるイノベーションの進捗状況は? |
3 | 中南米の保険会社にとってイノベーションの障害となっているものとは? |
セレントはこの4年間、保険会社がイノベーションの実現に向けてどのように取り組んでいるか調査してきました。今回は中南米の保険会社に焦点を当て、そのトレンドを詳しく調べています。
調査に回答した中南米の保険会社のほぼ全てが、顧客のニーズに対応する上でイノベーションは不可欠であると認識しています。その一方で、イノベーションは 重要だが自社の企業戦略にとって不可欠なものではないとする回答も依然多数に上っています。
回答者の多くは、保険業界は革新的なテクノロジーやプロセスの導入という点で他の業界に後れを取る傾向が続くとみており、他の地域での調査とは対照的に、イノベーションを阻む要因として経営幹部のリーダーシップの欠如を挙げる回答が目立ちました。
「調査結果をみると、中南米の保険会社は変革の必要性に対する認識がやや薄く、既存のビジネスモデルを再考することにも消極的であることがわかります。イノベーションプロジェクトの多くはいまだ漸進的なアプローチによって進められており、保険業界が直面している様々な変化に適応していくにはまだ十分時間があると考えているようです。ディスラプションを迫りくる脅威と捉える機運はまだ見られません」と保険プラクティスのシニア・アナリスト、ホアン・マツィーニは述べています。
「逆に、このことは、イノベーターとしてのブランドを確立し、新たなエンゲージメントを提供できる存在として印象づけるチャンスがある、ともいえます。まだこのチャンスにチャレンジする保険会社が誰なのかはまだ見えてきませんが」とシニア・アナリスト、マイケル・フィッツジェラルドは話しています。