インドにおける電子取引:常に走り続ける市場
2011/05/06
アンシュマン・ジャスワル
No Country for Old Men
Abstract
インドの金融セクターでは規制緩和の進展ペースにばらつきがみられ、以前から論争の的になっています。同様に、取引の電子化をめぐる規制のやり方についても批判が出ています。外資系金融機関は他の新興市場と同様の環境を期待してインドに進出したものの、思うようにサービスを展開できず、他の市場のように、効率的な競争を実現するのはかなり難しいと感じています。
セレントの最新レポート「インドにおける電子取引:常に走り続ける市場」は、インドの取引所市場(株式、外国為替、商品など)における電子取引の普及状況を調査しています。インドの資本市場では段階的に規制緩和が進められてきました。ここ10年間でアルゴリズム取引、ダイレクト・マーケット・アクセス(DMA)、スマート・オーダー・ルーティング(SOR)といったテクノロジーの導入が認められるようになり、同国の金融市場は電子取引の国際センターとしての体制を整えつつあります。
「インド市場は問題を抱えていますが、高い成長性が期待できます。取引所間の問題が解消し、規制当局が取引システムの急速な進歩により適切に対処できるようになれば、同国の取引所や証券会社はアジア太平洋地域で優位に立てるでしょう」と、セレントのシニアアナリストでレポート執筆者のアンシュマン・ジャスワルは述べています。
レポートでは、インド市場とアジア太平洋地域の競合市場を比較し、株式、通貨および商品のアルゴリズム取引、バイサイドによる電子取引、DMAおよびSORの導入状況などに基づき、現時点でのインドの電子取引の水準を検証しています。さらに、アルゴリズム取引を手掛けるベンダーを比較し、一部の有力ベンダーの商品の分析内容を添付資料として掲載しています。最後に、業界規制について分析しています。