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注目の第3ラウンド:PSD3とPSR1が登場

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2024/05/06

Abstract

欧州では決済サービス指令(PSD)の第1版が施行され、欧州委員会が掲げる単一ユーロ決済圏が成立した。PSD第2版は世界中の銀行により大きな影響をもたらすと考えられる内容で、オープンバンキングの基盤構築、APIの利用など今や世界に広く普及している技術が盛り込まれる。では、EUの規制当局はなぜPSD第2版の策定を進めているのだろうか。そして、それはどのような意味を持つのだろうか。


その答えは単純ではない。第2版は単なる改訂版にとどまらず、ほかにも多数の指令が取りまとめられてPSD第3版や決済サービス規則(PSR)第1版をはじめとする新たな指令・規則が策定される。その目的は、多様な決済サービス業者に対する管理規制の調和にあるほか、ハンディを負う一部業者への是正措置という意味合いもある。それだけでなく、不正行為防止とオープンバンキング導入の両方を強化することにも重点が置かれている。欧州に事業拠点を持つ銀行にとってその影響は大きく、今から準備計画に着手すべき事項も多い。また、PSD第1版と第2版に含まれる事項の多くは世界の様々な市場にも当てはまるため、欧州に拠点を持たない銀行も注視すべきだろう。