アジア太平洋地域における複合イベント処理:リスク管理と高頻度取引のニーズに対応
Addressing Risk Management and HFT Requirements
Abstract
ここ数年間の世界の資本市場の重要な動きとして、取引、リスク管理、コンプライアンスに関するデータの量が急拡大したことが上げられます。金融機関にとって、こうした大量のデータを管理する体制を備えることが不可欠になっています。さもなければ、業務スピードの低下や非効率化を招くほか、利益の確保や長期的な生き残りも難しくなる可能性があります。
セレントの最新レポート「アジア太平洋地域における複合イベント処理:リスク管理と高頻度取引のニーズに対応」は市場データの量の拡大について取り上げ、複合イベント処理(CEP)システムがユーザーにもたらすメリットを検証しています。CEPは、金融市場の急速に進化に対応するためのツールとして利用されています。注目すべきは、CEPの導入は金融機関の競争力および効率性の強化につながるため、変化への対応だけでなく、リターン向上のためのツールにもなっている点です。
2011年にブルームバーグが世界の主な金融機関のシステム投資担当者を対象に、前年度のインフラ投資のうちどの分野が最も高いROIを生み出したかを調査したところ、回答者の33%が取引の待機時間短縮、23% がCEPと答えました。このように、金融機関がCEPを利益創出手段として重視していることが明らかになりました。
「ここ2年間で、市場データの量は爆発的に増えています。金融機関はデータの処理能力を拡大するだけでなく、常に変化する市場環境に適応するため、CEP のようなソリューションの導入を検討する必要に迫られています」と、シニアアナリストでレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。
今回の調査はSybaseに委託しましたが、セレントは特にアジアと香港に注目し、CEPの導入を促す要因とニーズについて独自の分析を行いました。レ ポートでは、アジアの市場データをめぐる主なトレンドについて説明しています。また、CEPエンジンなどのソリューションを利用する際の重要課題を挙げて います。さらに、アジアの主要資本市場におけるCEPの導入事例も紹介しています。