リスク管理における戦略的イノベーション(パート2):成長に向けた構造的戦略
2013/09/01
Abstract
金融機関はテクノロジーイノベーションを最大限に活用するために、その構造的基盤を再構築する必要があります。またそれと同時に、リスク管理における粘り強さや有効性、ならびにコンプライアンスの維持にも注力しなければなりません。
シリーズ第2弾である「リスク管理における戦略的イノベーション(パート2):成長に向けた構造的戦略」では、リスク管理において発生するイノベーションダイナミクスを検証すると共に、こうしたダイナミクスを牽引・推進する要因や、それによってどのような恩恵があるか探り、また、実例を紹介しながら、金融機関が成長を加速しつつコストを抑制するための構造的戦略、IT管理アプローチを解説します。
金融機関は、コンプライアンス要件をサポートするためだけでなく、以下のような点において、持続可能で、リスクに合わせた柔軟性を持ち、イノベーション活用への基礎となるよう、IT管理の仕組みを再構築しなければなりません。
- データ品質管理の徹底
- 大規模な次世代のサービス指向型のテクノロジー導入
- ビジネス/顧客/商品参照データに関する統一データ導入のための構造的なIT管理アプローチ
- シンプル化とスピード化を実現する取引システムおよびリスクシステムの再統合
- 金融データおよびリスクデータの統合的な保管
- 価格、市場データ、リスク分析に関するリアルタイムのアーキテクチャ
- ITソーシングおよびデリバリーに関する戦略的管理、執行
「やはり必要は発明の母です。金融危機に端を発して競争上の必要性、また戦略的意欲から、先見の明のある金融機関は適正な基盤を再構築しています」と、執筆者であるリサーチディレクター、キュビラス・ディンは述べています。
本レポートではケーススタディを紹介しながら、金融機関が変革を舵取りし、より高水準のビジネスイノベーションを推進するための構造的戦略およびIT管理アプローチを提示しています。ケーススタディおよび分析は、セレントが以下の金融機関を対象にした調査に基づいています:Bank of America Merrill Lynch、 Barclays、 Citigroup、 Credit Suisse、 Goldman Sachs、 HSBC、 JP Morgan、 UBS