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アジア太平洋地域におけるイスラムバンキングの拡大

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2009/01/12

Abstract


現在、アジア太平洋地域を拠点とするイスラム銀行の預かり資産は約4,500億米ドルに達し、世界のイスラム銀行の預かり資産全体の60%を占めています。

セレントの最新レポート「アジア太平洋地域におけるイスラムバンキングの拡大」は、アジア太平洋地域の主要国における最近のイスラムバンキングの成長について検証しています。これらの国ではここ数年で経済が拡大し、国民1人当たりのGDP成長率が上昇しました。背景には地域全体の経済成長に加え、この地域にイスラム教徒が多いことや近年中東のオイルマネーの投資先が西欧諸国からアジア諸国にシフトしたことがあります。


出典:セレント

「アジアの大部分の市場ではイスラム教が支配的であるため、各銀行はシャリアを遵守する顧客の獲得を目指してイスラムバンキング商品を投入し、競争に拍車がかかっています。イランのような国では銀行システム全体がシャリアに準拠しており、イスラムバンキングの商品及びサービスのみを提供しています。一方、マレーシア、インドネシア、パキスタン、バングラデシュ、タイ、ブルネイなどでは伝統的な銀行とイスラム銀行が並列して業務を行い、二本立ての商品ラインを展開しています」とセレントのアナリストでレポート執筆者のプラティマ・ラジャンは述べています。

バングラデシュはイスラムバンキングの普及率が低く、発展の余地が大きく残されています。ブルネイではイスラム銀行が高い成長率を達成していますが、フィリピン、シンガポール、タイなどではこれらの銀行の預かり資産はなお極めて低水準にとどまっています。これらの国ではイスラム教徒の人口が全体の20%未満と比較的少なく、イスラムバンキングは初期段階にあるか、少しずつ遅れを取り戻している状況です。

本レポートは①イスラムバンキングの普及レベル②商品別の市場成熟度③競争状況④新規参入余地―などに基づいて、アジア太平洋地域の主なイスラムバンキング市場の成熟度を分析しています。また、イスラム銀行全体や個々の市場が直面している課題を明らかにしています。

レポートは33図と5表を含む全44ページで構成されています。