預金シェアの低下で減少するコミュニティバンク
Abstract
米国では過去15年間にコミュニティバンクの分野でかつてないほど市場の集中化が進み、預かり資産が100億ドルを超える銀行がさらに大幅な 市場シェアの拡大を進めてきました。1995年には上位5行の預金残高が市場全体の11%を占め、今ではそのシェアは40%近くまで拡大しています。一 方、預かり資産が1億ドルに満たない銀行の数は1992~2008年の間に5,410行も減少しました。
セレントの最新レポート「預金シェアの低下で減少するコミュニティバンク」は銀行業界のトレンドを資産タイプ別に分析し、コミュティバンクが減少している根本的な理由を探っています。また、上位の数行に預金が集中している理由についても考察しています。
銀行業務は20年前に比べてより複雑になっています。そのため、規模の小さい銀行はコスト面でますます不利な立場に追い込まれています。預金獲得は 規模が物を言うビジネスであり、最大手の銀行はこの点を認識して連邦預金保険公社(FDIC)の定める上限まで預金残高を伸ばそうとしています。
出典:セレント
「最小規模の銀行と最大規模の銀行の間の効率性比率の差は以前はゼロでしたが、現在はその差が20%以上に広がっています。この差は長年にわたり少 しずつ拡大したもので、今後も拡大傾向が続くとみられます。銀行業界では規制面の負担が増し、チャネルが多様化するなど業務はますます複雑化しており、小 規模な銀行は悲鳴を上げています」とセレント銀行プラクティスのシニアバイスプレジデントでレポートを執筆したバート・ナーターは述べています。
本レポートではまず各銀行の財務状況を調査し、コスト指標である効率性比率を比較しています。さらに、各行の資産タイプ別の預金獲得状況も調査しました。最後に、上位5行が合併や買収を通じていかに40%近くの預金シェアを獲得するに至ったかを検証しています。
本レポートは23図を含む28ページで構成されています。