大手銀行の勘定系ソリューション
Abstract
古い勘定系システムへの負荷の増大を受けて、多くの銀行が、勘定系業務の円滑な運用を維持し、競争上の優位性を確保するために代替システムの導入を検討しています。
勘定系システムは銀行の心臓です。全ての取引は勘定系システムを経由するため、最低限でも営業時間中は常時稼動し、かつ処理可能な状態である必要があります。さらに、インターネット・バンキング、グローバル業務、ATM/インターネット/電話/デビットカードなどを通じたリアルタイム取引に対応するため、24時間365日システムを稼動させるケースも増えています。セレントは最新レポート「大手銀行の勘定系ソリューション」で、勘定系システムの改良を検討している銀行が入手可能な一連のソリューションを比較しています。
勘定系システムの多くは老朽化が進み、いわば高コレステロール症を患っているような状態にあります。旧式のテクノロジーが勘定系システムとその他のシステムの間の通信フローを停滞させ、新商品の開発を煩雑にしているのです。以前のソリューションの中には、サービス・オリエンテッド・アーキテクチャ(SOA)に基づくラッピング技術を用いて通信ラインの円滑化を図っているケースも見られます。
セレントの予測では、これまで外部ソリューションの導入を検討していなかった銀行の多くが、今後導入に乗り出す見通しです。多くの最大手銀行は自社開発ソリューションを運用していますが、それらの古いシステムには長年にわたる保守・運用のひずみが顕在化しているため、ベンダーソリューションを見直し始めています。最新システムは、柔軟性や俊敏性を備えています。レポートでは、既存の古いソリューションを最大限に活用することを考えている大手銀行と新たな勘定系システムの導入を検討している大手銀行、双方に向けたソリューションの製品調査をしています。分析の対象としたソリューションは、Accenture Alnova、CSC Hogan Systems、FIS KORDOBA、FIS Profile、FIS Systematics、Fiserv CBS、SAP for Banking、TCS BANCS、TietoEnator CBS、 TriSyn Infopointです。
「米国の銀行は、勘定系システムの大規模な改良をすることにはならないでしょう。一方、東欧諸国の成長は力強く、同地の銀行はシステムの近代化を進めています。また、経済成長著しいインドや中国では、銀行に対するニーズが増大し、必然的に銀行勘定系システム強化の需要も増しています」と、セレントバンキングプラクティスのシニアアナリストでレポートの執筆者であるバート・ナーターは述べています。