ウェルスマネジメントのアウトソーシング:ベンダーの動向
Abstract
ウェルスマネジメントを手がける金融機関は、金融危機の長引く後遺症にいまだ悩まされています。市況の低迷、資産の目減りと顧客基盤の弱体化、規制強化の動き、顧客ニーズの拡大、リスク管理の強化などを背景に、収益の悪化とコストの拡大が進んでいます。そのため、業務の大部分をアウトソースして中核業務に集中する金融機関が増えています。
セレントの最新レポート「ウェルスマネジメントのアウトソーシング:ベンダーの動向」は、ウェルスマネジメント業務を受託するベンダーの市場を分析しています。これは、昨年7月発行のレポート「ウェルスマネジメントのアウトソーシング:グローバルな展望」の続編となるレポートで、この市場の最新トレンドを明らかにしています。レポートでは次の15のベンダーについて取り上げています: Advent Software、Cognizant Technology Solutions (CTS)、FIS、Genpact、HCL Technologies、iGATE、Infosys、Miles Software、MphasiS、Polaris Financial Technology Limited、SEI、State Street、SunGard、Tata Consultancy Services (TCS)、WNS
これらベンダーの基本製品は基本的な機能、テクノロジー要件、サポートサービス、業務モデルに対応することが求められるため、どれも似たような内容になっています。ただし、競合他社との差別化をアピールできる分野もあります。具体的には、特定機能への特化、市場参加者のサブセグメント化、ITOプロバイダーからBPOプロバイダーへのシフト、業務モデル(ローカルインストール、ウェブベースの製品など)、価格モデル、他のベンダーとの提携(製品ベンダーの場合は導入時のパートナー)、独自のウェルスマネジメント向け製品の開発などが挙げられます。今後、アウトソーシングの対象は徐々にITからビジネスプロセスへと移行するものとみられます。
「ベンダーの製品は概ね似たような内容です。各社ともミドル・バックオフィス機能に特に強みを持つのに対し、フロントオフィス機能はさほど開発が進んでいません。これは、ウェルスマネジャーがフロントオフィス業務のアウトソースにはなお消極的であることが原因となっています。しかし、状況は変わりつつあり、フロントオフィス機能のアウトソースを検討する金融機関も増えています。今後1年半から2年間は市場の進化とベンダーによるノウハウ蓄積が進み、ベンダー製品の違いもより顕著となるでしょう」と、セレント証券グループのアナリストでレポートを執筆したアリン・レイは述べています。
レポートではウェルスマネジメントのアウトソーシング市場の概要を示した上で、ベンダー市場の動向を明らかにしています。さらに、この分野に参入しているベンダーとその製品を紹介し、ベンダーがこの市場でどのように差別化を図れるかについて論じています。
本レポートは30p、ベンダー15社のプロフィール詳細と2表で構成されています。