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世界の勘定系システム市場:着実な成長

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2013/07/23

Abstract


世界の勘定系システム市場の規模は、2013年時点で約86億ドル(約8500億円)と推計され、今後4年間に年率4%のペースで拡大し、2017年には101億ドル(約9960億円)に達すると予測します。

セレントの最新レポート「世界の勘定系システム市場:着実な成長」では、世界各地で健全な競争が展開され、昨今の相次ぐM&Aがそれにさらに拍車をかけるなど、活況が続いている勘定系システム市場を論じています。セレントが調査したベンダーからの回答、社内の統計、公表されているデータなどをもとに推計したところ、全世界の勘定系システムの導入件数は11,000件を超えるとみられます。

米国では、長い間勘定系システムの入れ替え需要が鬱積していましたが、ここにきて一部の大手銀行は入れ替えに踏み出す構えを見せています。こうしたケースが成功を収めれば、これに追随しようとする銀行も増えるでしょう。ただし、中小銀行はこうした動きに遅れるとみられます。欧州では、システムの入れ替えがなかなか進まない状態が続く見通しです。一方、成長率が高く市場が成熟していない地域では、地域固有のニーズに応えるため、勘定系システムの入れ替えに対する意欲はより強いとみられます。

銀行のスタンスは地域によって大きく異なるものの、世界的に次の3つの共通トレンドがあると考えます。

  • 一斉に行うか、段階的に行うかの違い(銀行の規模による)はあるが、勘定系システムの入れ替えを前向きに検討する銀行が増えている。
  • 銀行が最終的にシステム入れ替えに踏み切るかどうかは、コストおよび、アジリティに対する顧客のニーズが最終的な決断を促す要因となっている。
  • ベンダーの製品は成熟化が進んでいるため、銀行が従来のような不安を感じることはなくなっている。

こうした傾向にもかかわらず、銀行側は元来の慎重な姿勢を崩していません。変化の機運は高まり始めているものの、勘定系システムの入れ替えが一気に進む様子は見られません。


「業務負担の拡大に対処するため、勘定系システムを更新すべき時期を迎えている銀行が増えています。しかし、確実ながらもまだ一部にとどまっており、大きな流れには発展していません」と、セレント銀行グループのシニアバイスプレジデントでレポートを共同執筆したダン・ラティモアは述べています。

「特に目立つのは地域による違いです。多くのベンダーは、既存市場で基盤を縮小する一方、新たな市場への参入を目指しています」とアナリストでレポートの共同執筆者であるスティーヴン・グリーアはコメントしています。

レポートでは、世界の勘定系システム市場について各地域の特徴や現在の市場規模を明らかにし、2017年までの成長率を予測しています。

注)米ドルから日本円への換算レートは、2013年6月30日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。