損保引受プロセス自動化:どこにいつ投資するのが有効か?【抄訳版】
Abstract
(英文レポート"Making Property/Casualty Underwriting Investments That Pay Off "の重要部分を抽出し翻訳しました。)
引受けプロセスの自動化は業績の改善につながる可能性があるものの、大幅なコスト増を招く恐れもあります。保険業界における自動化の進捗状況はどうなっているのでしょうか。また、自動化への投資はいつ行うのが有効でしょうか。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 引受けプロセスのうち、どの要素が自動化可能か? |
2 |
保険会社は引受けプロセスのどの部分を自動化しているか? |
3 | 引き受け自動化のレベルと業績指標には相関関係があるか? |
引受けは基幹業務です。保険会社の収益性を維持するためには、リスクを選定・評価するプロセスに加え、保険契約の販売と継続的なサービスの提供に必要なその他の業務プロセスが不可欠です。ここ数年、保険会社は基幹システムである保険契約管理システムの入れ替えや引受けプロセスの自動化にもっぱら注力してきました。
業務プロセスを自動化するにあたっては、システムの購入および実装、業務プロセスの変更に伴うハードコスト、様々なソフトコストなど費用が膨らむ可能性があります。また、引受業務を担当する社員やアウトプットを受け取るエージェントも大きな変化を求められます。
自動化への投資はいつ行うべきでしょう。引受業務のうち、自動化が業績改善につながるプロセスはどこでしょうか。自動化プロジェクトに優先的に取り組もうとしている保険会社に向けた提言をまとめました。
「レポートは、引受けプロセス自動化の進捗状況を把握することを目的にしています。喧伝されているとおり、ほぼ全ての保険会社が引受業務のあらゆるプロセスを自動化しているのでしょうか。あるいは、そうした動きはさほど広がっていないのでしょうか。古いシステムを利用している保険会社は不利な立場にいるのでしょうか。自動化が進んでいる保険会社ほど、良い業績を上げているのでしょうか。どの分野の自動化に投資するかを決める上で参考にしていただければ幸いです」と、セレント保険プラクティスのリサーチディレクターでレポートを執筆した カーリン・カーナハンは述べています。
レポートでは、引受けプロセスを26の構成要素に分け、各要素の自動化レベルを「ほとんど進んでいない」から「かなり進んでいる」までの3つのレベルに分けて定義しています。保険会社はこれに基づいて自社のスコアを算出し、ベンチマークと比較できます。