RegTechの台頭: コンプライアンスを競争力に 変える
2018/06/14
オリバーワイマン既刊レポート
Abstract
金融危機以来、金融規制は驚異的なスピードで拡大し、それに伴いコンプライアンスのコストも急激に増加した。以前はわずかなコストしかかからなかったものが、今や金融機関の年間コストの大部分を占めるようになっている。
その結果、RegTechが出現した。この5年間に、何百ものスタートアップが、今や膨大で面倒になった規制対応業務にAPI、AI、RPAのようなデジタルテクノロジーを活用するようになった。RegTechはコンプライアンス業務のコストを削減するだけでなく、業務の効率化とスピードアップ、そして信頼性の向上を実現するほか、顧客側の面倒な作業を軽減できるうえ、莫大な負担が生じるコンプライアンス違反のリスクを減らすことができる。しかしRegTechの可能性は、コンプライアンス業務の効率化に留まらない。規制当局の要求を満たすデータとアナリティクス技術は、ビジネスの観点においても有益なものであり、顧客および市場に関するインサイトも提供することができる。適切に使えば、RegTechは競争力の源となり得るのだ。