エンタープライズ・ペイメントマネジメント (決済管理):全社的アプローチが必須
Abstract
ペイメントマネジメント(決済管理)の全社的アプローチへの移行を促す動きやこれに対する銀行業界の対応は、米国の銀行業界の再形成を促していくとみられ ます。この結果、ペイメントプロセスおよび分配方法、業務や組織の管理方法、プロバイダーの役割などに変化が生じるでしょう。
リテール投資の預金から株式への移行、突発的なM&A、コンピュータの2000年問題、ネットバブルなどを乗り越えた現在の決済システムは万全の 体制であるように思われます。しかし実際は、こうしたシステムは現実の変化のスピードに対応できるような機能を備えていたわけではないにもかかわらず、難 しい意思決定、並外れた努力によって難局を乗り切ってきました。これらの古いシステムや複雑な業務は、将来の銀行のニーズに対応できるものではありませ ん。
銀行が今後ステークホルダーの価値を最大化していくためには、全社的アプローチで自行の決済業務戦略を見直し、執行能力を徹底的に評価することが不可欠で す。米国では全社的アプローチの取り組みはかなり進んでいるものの、銀行やビジネス界の変革はまだ始まったばかりです。セレントの最新レポート「エンター プライズ・ペイメントマネジメント(決済管理):全社的アプローチが必須」は、マーケットが選択肢を限定してしまう前に米銀がビジネス機会を追及できるよ う、経営陣に対して現行の決済戦略と業務能力を見極めることを促しています。
レポートの論点は次の5つに分けられます。
- ペイメントマーケットの変化による影響を最も受けやすい銀行
- 将来のペイメントマーケットを方向付けるトレンド
- 次世代の銀行の決済ビジネスが促進する成功へのパラダイム
- 全社規模のペイメントマネジメント(決済管理)が果たす役割
- 変化に対応できる決済体制
「銀行は業務の見直しを進めるべきでしょう。『壊れていないものは修理するな』という格言は都合よく聞こえますが、銀行が将来のニーズに対応できないシス テムを『壊れている』と認識せずに適切な投資を怠れば、最終的には銀行そのものの崩壊を招きかねません」とセレント銀行プラクティスのシニアアナリストで レポートを執筆したエドワード・ウッズは述べています。
ペイメントマーケットが変わりつつある中、銀行は可能 性を最大化するための計画を策定する必要があります。 ビジネス機会を追求する全ての銀行は、新たな決済ビジネスの構築に向け、全社的アプローチによる戦略を立てるべきでしょう。「銀行にとっては全く新しい挑 戦ですが、生き残りのための変革と成長のための革新は避けられません。決済業務の効率化と集中化を進め、顧客法人のニーズを満たすことができた銀行は、今日および将来にわたって荒波を乗り越えられる体制が整ったといえるでしょう」とウッズは付け加えています。
本レポートは9図と11表を含む全44ページで構成されています。